【人工知能はいま 専門家に学ぶ】(4)日本を代表するマルチエージェントシステム研究者、横尾真氏が見るAIの世界 (1/4ページ)

2016.5.15 07:00

九州大学大学院システム情報科学研究院情報学専攻主幹教授、九州大学革新的マーケットデザイン研究センター長の横尾真氏

九州大学大学院システム情報科学研究院情報学専攻主幹教授、九州大学革新的マーケットデザイン研究センター長の横尾真氏【拡大】

 九州大学教授でシステム情報科学を専攻し、計算機科学、人工知能、特にマルチエージェントシステムを研究している横尾真を訪ねた。

 休日であったにも関わらず、横尾は研究室にいた。失礼な行為で躊躇はしたが、九州大学にいる事実と時間的な余裕があるという、自分勝手な都合から、アポなしで横尾を訪ねたのだ。突然の訪問にも関わらず、横尾は快くインタビューに応じてくれた。当然、横尾のスケジュールの合間の短い時間しかインタビューできなかったが、興味深い視点を頂戴した。

【プロフィル】横尾真(よこお・まこと)

横尾真(よこお・まこと)九州大学大学院システム情報科学研究院情報学専攻 主幹教授
九州大学革新的マーケットデザイン研究センター長
著書に「オークション理論の基礎」(東京電機大学出版局)等がある

「そうですね、私は人工知能が専門だと言っており、人工知能の国際財団であるAssociation for Advancement of Artificial Intelligence(AAAI)のフェローもしているのですが、人工知能と言っても結構広い分野であって、世の中で話題になっている人工知能とはちょっと離れたところにいるのです。今、流行っているものに関しては、あまり専門ではないですし、普通の人と較べて、すごく分かっているという訳でもありません」

 ビジネスの世界だと、こういう時、少しでも関係していれば、殆ど分かっていなくても知ったかぶりをして答える人が多いように思う。それを堂々と「知らない」と言い切る。自身の研究分野への信頼と自信があればこそ、こういう態度を取れるのであろう。

「アルファ碁はすごいけど、どうしてあんなに強いのだろう?みたいな感じです。人工知能の守備範囲は広く、よくアンブレラタームだと言うのですが、今までの伝統的な計算機科学の枠に入らないものをいろいろひっくるめて人工知能と呼んでいる感があります。今回、ブレイクスルーがあったところに関して、私がすごく詳しいという訳ではないのです」

 九州大学では人工知能のどの分野の研究が多いのだろうか?

「情報学専攻の中では、機械学習よりはデータマイニングとかのほうが多いと思います。ディープラーニングに関しては、そのものを研究しているというよりは、汎用的なテクニックとして、いろいろなところでツールとして使おうとしていると思います。私自身も、研究しているアプリケーションで学習のボトルネックがあるなら、ディープラーニングを使って解決できるか試してみたいと思っています」

一般的にイメージされる人工知能の実力はどれくらいあるのだろうか?