PSVR初体験で思わず「ウォッ」 恋愛ゲームではミニスカの女の子に年甲斐なくドキドキ

 
「オーシャンディセント」の画面(ソニー・インタラクティブエンタテインメントのHPから)

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が仮想現実(VR)の世界でゲームを楽しめる端末「プレイステーション(PS)VR」を発売した13日、ソニー本社で早速、PS VRを体験してきた。4月に還暦を迎えたロートル記者にとって、頭部に取り付けるVRのヘッドセットはおろか、PSを操作するのも生まれて初めて。少し緊張しながらの初体験は、SIEスタッフのお陰で案外スムーズにスタートした。

 すごく重そうに見えたヘッドセットの実際の重さは約610グラムだが、頭頂部に重心がかかるように設計してあり、意外に重さを感じず、前面の画面部分を微調整してピントを合わせるが、近眼のためややピンぼけで我慢して、ゲーム開始。とはいっても、最初は操作が不要な映像「オーシャン ディセント」(SIE制作)。カゴの中に入って色とりどりの魚やエイの群れなどを見ながら海の中を下りていく。

 素潜りが好きな記者にとって、素潜りでは体験できない数十メートルもの深さに、苦労しないで到達した気分にさせてくれるのはありがたい。

 前後左右に首を回しても360度が海の中。実際に海中にいるような気持ちになるが、普通に空気が吸えるので錯覚するほどではない。しいて言えば、深海探査機のなかのような気分か。奇岩や遺跡のような人工造形物に囲まれた海底付近で、いきなり5メートルを超えるような巨大なホオジロザメがカゴに突進して、カゴがグラグラと揺れる。思わず「うわ」と情けない声がでる。

 ジョーズのようなド迫力の牙で目の前に迫り、パイプやライトなどを食いちぎって、ついにカゴの前面のガードが消失。サメを防御できない状態になり、最後はサメに襲われるストーリーか、と心配したら、案の定、こちらに急接近。口を開けて「喰われる」と思った瞬間、上から落ちてきた岩がサメを直撃、一緒に海の底に落ちていって危機一髪のゲームオーバー。VRと分かっていても巨大ザメが目の前に迫ってくるのは結構恐くて、冷静を装ったつもりだが、手に少し冷や汗をかいた。VR侮り難し!

 VRに少し慣れて、次のソフトはコントローラーを使うゲーム「ロンドン ハイスト」(SIE制作)。ギャング同士のカーチェイスを繰り広げながら抗争相手のバイクや自動車を撃ち倒すのだが、助手席に乗って高速道路を快走していると後ろからきたバイクが追い越しざまにこちらを射撃。体に弾は当たらなかった(当たり前です)が、思わず「ウヒャ」と声が出る。こちらの自動車でバイクを引き倒したら、はじき飛ばされたバイクの運転手がフロントガラスを直撃し、「ウォッ」とまた声が出てしまった。その後は次々に襲ってくる追っ手を右手の小銃で撃つのだが、弾がなくなるとダッシュボードにある弾倉を装填するの仕組み。バーチャルな左手(実際にはコントローラー)で弾倉がつかみにくく、苦労した。

 大手ソフト会社の恋愛シミュレーションゲーム(デモ版)は、女子高生の部屋にいる家庭教師役だが、部屋はやけにリアル。ミニスカートでアイドルっぽい女の子は人形のように見えるのもご愛敬か。その女の子が「ね、先生」などと話しかけてくると、「え?」などと奇妙な対応を取ってしまった。耳元で「今度どこかへ連れて行って」と囁かれたり、「動かないで」といって顔を近づけてきたときは、年甲斐もなくややドキドキ。SIEのスタッフにどう見えていたのか気になった。

 別のソフト大手が制作したホラービデオ(デモ版)は、手を縛られて椅子に拘束されている自分を助けようとした仲間が、ゾンビに刺され、そのゾンビが今度は包丁を手に自分に斬りかかってくると、椅子から逃げ出したくなる恐怖を味わった。一度は仲間に救われたものの、今度はゾンビが顔に包丁を突き刺すように襲ってきたときは思わず叫びたくなった。心臓もやや高鳴ったようだ。

 VRだと頭では理解していても、目から飛び込んでくる世界に直感的に反応してしまうため、声が出たり、汗がにじむ。体験したソフトはいずれもよく知られたVR体験デモ用だが、テレビ画面の向こうで展開されるゲームと、その中に入り込んで体験するVRの違いは60代でも実感できた。SIEでは「今後、VR機能を生かしたさまざまなゲームや映像が出てくる」(野田牧子広報課長)と期待している。相模湾や東京湾など実際の海底をVRで体験できれば釣り師には嬉しい実用映像だし、60代なら誰でも知っている名画『ミクロの決死圏』なんて、VRでぜひ見てみたいものだ。

 ただし、高齢者がVRにはまると、外出しなくても日本はおろか世界中の観光地も家の中で体験できるようになり、足腰が早く弱ってしまう可能性もないとはいえない、と要らぬ心配を考えた。

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