ここまで進化した最新ガチャガチャ事情 外国人も大興奮「イエース!」

 
「機動戦士ガンダムモビルスーツアンサンブル01」のガンダム(バンダイ提供写真)

 観光客でごった返すゴールデンウィークの秋葉原駅構内に、大量の「ガチャガチャ(カプセルトイ)」が出現した。期間限定のイベントに集結した販売機は実に約100台。「オタクの聖地」だけあって海外から来たアニメ・マンガファンも多数見られ、ひしめくガチャガチャを前に思わず足を止めていた。大人も夢中になるなど販路も広がり、どんどん進化していくガチャガチャ。気になる最新事情を追った。

外国人にも大ウケ ガチャガチャに大興奮「イエース!」

 ある外国人男性は物珍しそうに販売機を撮影する。リュックの中からいくつものカプセルを取り出した欧米系カップルは、人の顔が描かれた「人面パン」のキーホルダーを片手にご満悦。アジア系男性はお目当ての商品が出るまで何度もハンドルを回していた。

 多くの人が行き交う秋葉原駅でガチャガチャの魅力をもっと知ってもらおうと、期間限定で開催されたこのイベントは大盛況だった。販売スタッフに聞くと、ガチャガチャで遊ぶ人の半数以上は外国人観光客だという。「ウルトラマン」や「仮面ライダー」などキャラクター商品の人気は根強いが、外国人が多い土地柄、日本を思わせる「仏像」なども売れているそう。

 カプセルトイ販売機の設置運営を行うハピネット・ベンディングサービス(東京都)営業企画部の奥村亮介さんによると、ガチャガチャが駅や空港に進出したことで、「日本のお土産」として購入する外国人観光客が増えているという。日本人に比べると一度に大量購入する「大人買い」の傾向が強いそうで、「やっと欲しいものが出たときのリアクションが大きくて、『イエース!』って凄いんです。こっちも嬉しくなります(笑)」と外国人が楽しむ様子を語る。

ここまで進化した最新ガチャガチャ事情

 日本に登場してから約50年-最近のガチャガチャは驚くべき進化を遂げている。「キン肉マン」や「機動戦士ガンダム」の消しゴムをコレクションしたであろう昭和世代にとってはあの素朴さが懐かしいかもしれないが、最近の商品は同じ価格でも圧倒的に細かい作りになっている。例えば「機動戦士ガンダム モビルスーツアンサンブル01」は30もの部品のひとつひとつに色が塗装されており、一昔前の商品とは比べ物にならないほど精巧だ。組み立てに20分かけて完成したのはまさに「ミニチュアのガンプラ」。

 関節にも可動用パーツが入っているため自由なポーズを楽しむことができる。奥村さんによると「自分の知っているガチャガチャとは全然違う」と品質に感動して購入する大人が多いという。

 また、購買層が広がったこともあり高価格化が進む。現在は1回300円の商品が主流になっており、前出の「モビルスーツアンサンブル」はなんと1回500円と高額だ。奥村さんによると「価格に合うクオリティであれば売れます」と高価格帯商品の需要の高さを明かす。

 国内のカプセルトイ市場は、2001年度の210億円から15年度には316億円にまで成長。近年の人気に火がついたのは、11年に販売した「仮面ライダーオーズ オーメダル」がきっかけだという。「とある家電量販店では発売日に大行列ができ、社内では『とんでもない商品が出た』と騒ぎになりました」(奥村さん)。なんと3年後の14年にはそれを上回る商品が出る。「『妖怪ウォッチ 妖怪メダル』は市場規模が拡大するほど空前絶後の売れ行きに。この2商品の登場によって、ガチャガチャは『皆が目の色を変えて欲しくなる』ものになりました」と奥村さんはブームの過熱ぶりをふり返る。

池袋駅で売れる商品は意外?

 ガチャガチャが脚光を浴びるようになった要因はほかにもある。かつては小さな玩具屋やスーパーの裏にひっそりと置かれ、長い間「すきま産業」として脇役に徹してきたが、近年では駅や空港にズラリと並ぶ光景が珍しくない。例えば16年7月から大量のガチャガチャを設置した成田空港では、両替えできなかった小銭で遊ぶ外国人観光客でにぎわう。第1旅客ターミナルで150台以上の販売機を扱うハピネットは、成田空港だけで1店舗平均の10倍ほどを売り上げる。

 奥村さんによると「2000年代前半からはショッピングモールの中心に設置され始め、ここ数年は駅や空港、イベント会場、フェス会場など、人が集まる場所にどんどん進出しています。大人にウケているのは、彼らと触れ合うタッチポイントが増えたことも考えられます」と従来とは一線を画すロケーション戦略が奏功している。

 また、冒頭の秋葉原駅に匹敵するほど大きな売上げを誇るのが池袋駅だ。ハピネット経営本部の大嶋ゆきみさんは「秋葉原と似て『アニメ・マンガファンが多い』イメージがありますが、イベントを開催するメトロポリタン口では20~30代OLにウケるものが売れ筋」と話す。「大人の女性をターゲットにファッションビルで『女子ガチャ』イベントも開催しています。30代女性には馴染みが深い『セーラームーン』の商品が人気」(大嶋さん)だそう。

 課題は新たな販促方法だ。「駅での催事をはじめて3年目。どんどん目新しさは薄れてくるので新たな売り方を模索しています」と奥村さんは頭を抱える。「ひとつ考えているのはデジタルサイネージ。『ガチャガチャなのにこんなにディスプレイがきれい』となるとやはり目立つので」と構想を話す。人通りの多い場所にもさらに販路を広げるという。「現在は他の交通機関への進出に力を入れています。人が行き交う場所は徹底的に押さえ、消費者とガチャガチャとの接点を増やしていきます」(奥村氏)。(SankeiBiz 久住梨子)

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