iPhone8発売 携帯3社「差別化」で顧客流出防ぐ 機種変更に恩恵のプランをアピール

 
アイフォーン8などの発売イベントに出席したNTTドコモの吉沢和弘社長(中央)=22日、東京都千代田区

 米アップルは22日、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の最新型「8」と「8プラス」を発売し、NTTドコモなどの携帯電話大手3社が一斉に取り扱いを始めた。「8」と画面が大きい「8プラス」とも無線充電が可能で、背面にガラス素材を採用した。ドコモショップ丸の内店(東京都千代田区)で8プラスを購入した埼玉県桶川市の男性会社員(58)は、「背面の質感が今までと違う感じ。進化したアイフォーンとして、安心感が高い」と話した。初代アイフォーン発売10周年を記念した高級機種「X(テン)」は、11月3日に発売される予定だ。

 「iPhone(アイフォーン)8」と「8プラス」が発売されたことで、携帯大手3社の販売競争が本格化する。今回、各社は差別化を狙って独自の料金プランを打ち出しており、過度の安売り規制で沈静化していた顧客争奪戦が激しくなる可能性が高い。11月に発売される「X(テン)」については需要が大きい一方、十分な販売量を調達できるかは不透明。例年以上の総力戦が繰り広げられそうだ。

 通信量に応じた料金

 「自信をもっておすすめできる」。KDDIの田中孝司社長は22日の発表会で、料金設定の優位性を強調した。同社は実際に使ったデータ通信量に応じて料金が決まるプランを新型アイフォーンにも適用する。

 各社はさまざまな端末購入補助や通信料金の割引きを打ち出している。NTTドコモは、契約を続けて2年目以降に新機種に変更すれば、最大4万円分のポイントを還元する。KDDIとソフトバンクは端末を分割払いで購入すると、最大で半額になるプランをアピール。いずれも、2~4年以上の契約を続けることが条件となっており、他社への顧客流出を防ぐ“守り”を固めた格好だ。

 従来型から買い替え

 一方、知名度と人気が高いアイフォーンで独自の魅力をアピールできれば、他社から多くの顧客を奪える好機にもなり得る。「フィーチャーホン(従来型携帯電話)から買い替えてもらう」(ドコモの吉沢和弘社長)という狙いもある。

 また、例年と異なるのは高級機種「X(テン)」の存在だ。3社とも、「8」「8プラス」の予約状況は、昨年の「7」「7プラス」には及ばないという。テンを購入したい顧客の買い控えが背景にあるとみられる。神奈川県茅ケ崎市の男性会社員(30)は、「テンはデザインや操作方法が新しく魅力的だ。徹夜してでも買いたい」と話した。ソフトバンクの宮内謙社長は、「8とテンを合わせると、(販売量は)7を大きく超えていくだろう」とみる。

 各社が競争することで料金やサービスの改善が進み、消費者の利益につながることが期待される。

 ただ、新プランが次々と出されることで、料金設定がさらに複雑化し、消費者が比べにくくなる懸念もある。(高橋寛次)