「関西みらいHD」11月設立 3地銀が統合で正式契約 待ったなしの合従連衡

 
会見後、手を重ねる(左から)りそなHDの東和浩社長、りそな銀行の菅哲哉副社長、近畿大阪銀行の中前公志社長、関西アーバン銀行の橋本和正頭取、みなと銀行の服部博明頭取=26日午後、大阪市

 りそなホールディングス(HD)傘下の近畿大阪銀行(大阪市)と、三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下の関西アーバン銀行(大阪市)、みなと銀行(神戸市)の関西地盤の3地方銀行は26日、平成30年4月の経営統合で正式契約を結んだと発表した。中間持ち株会社「関西みらいフィナンシャルグループ(FG)」を今年11月に設立し、3行が順次傘下に入る。りそなHDが関西みらいFGの51%の株式を保有し連結子会社化。三井住友FGも出資して持ち分法適用会社とする。

 地銀の統合が加速している。少子高齢化やマイナス金利政策で取り巻く環境が厳しさを増しているためで、コスト削減による効率化で生き残りを図るのが狙い。現在、収益源とされる銀行カードローンやアパートローンにも厳しい目が向けられており、合従連衡の動きは今後も続きそうだ。

 日銀のマイナス金利政策で貸し出しに伴う利ざやが目減りしたことで、多くの地銀が難局を迎えている。新たな収益源として目を付けた銀行カードローンは、多重債務者を生む懸念から金融庁が監視を強化。アパートローンの貸し出しも、賃貸物件が供給過多になり減少し始めている。

 これまで国債に代わって買い入れてきた外債も、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに向かう中、今後、価格が下がり含み損が生じる可能性がある。

 大手銀行などは、海外に積極展開することで収益を確保する戦略を打ち出すが、資金力や人材に劣る地銀に残された道が統合による経営基盤の強化だ。

 ただ、統合しても安泰とはいえない。大和総研の内野逸勢主席研究員は「行員の教育を含めて、ビジネスモデルを変えられるかが重要だ」と指摘する。地銀では1人の客に複数の商品を提案する「クロスセル」ができていないなど、生産性向上に課題を抱えるケースが多い。関西みらいFGの社長に就任するりそな銀の菅哲哉副社長(56)も会見で「3行の相乗効果を出していくことが一番大切だ」と強調した。

 一方、7月に九州最大のふくおかFGと長崎県の十八銀行が、10月に予定していた経営統合の再延期を発表した。独占禁止法に基づく公正取引委員会の審査が難航しているためで、7割に達する長崎県内の取引シェアが問題視されている。今後も地銀再編の動きは続く見通しだが、独禁法の壁を含め乗り越えなければならない課題は多岐にわたっている。(蕎麦谷里志)

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