東京海上日動火災保険 健康経営マーケット、拡大の余地

トップは語る

 □東京海上日動火災保険社長・北沢利文さん(63)

 --主力の自動車保険の先行きが懸念されている

 「安全性能の向上で自動車事故は減少するとみている。ただ、新たなリスクに対する保険の需要は出てくる。その一つが『健康経営』だ。工場の設備と同様に企業にとって従業員も大事な財産だが、工場には保険をかけるが従業員への対応はまだ不十分だ。けがや病気への保険や所得補償保険、使用者賠償責任保険など、健康経営のマーケットはまだ広がる余地がある」

 --健康経営は社長就任時から力を入れてきた

 「部長時代に医療分野を専門に扱うグループ会社『東京海上日動メディカルサービス』に出向し、グループ内の生命保険会社『東京海上日動あんしん生命保険』の社長を務めた経験から、健康経営にはもともと関心があった。1月には社内に健康経営タスクフォースというプロジェクトチームを発足させ、社内外にさまざまな提案をする体制も整えた」

 --顧客企業の健康経営も後押ししている

 「採用した社員が定年まで健康で長く働き続けることはどの企業にとっても大切で、当社のノウハウを基に顧客企業を支援したい。これまで業務災害総合保険に加入する企業を対象に、ストレスチェックのサポートや、メンタルヘルスの電話相談サービスなどを展開してきた。また、同保険の加入企業が健康経営優良法人に認定されれば保険料を5%割り引くインセンティブも導入した」

 --今後の展開で具体的に考えていることは

 「10月からは医療・介護の相談や、病院を紹介するサービスを追加する。もともと自動車保険などの個人加入者向けの付帯サービスを、業務災害総合保険に加入する企業の従業員なら全員がこのサービスを受けられるようにするというもの。今後も健康経営を後押しする取り組みを進めていきたい」

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【プロフィル】北沢利文

 きたざわ・としふみ 東京大経卒。1977年東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)入社。個人商品業務部長などを歴任し、2016年4月から現職。長野県出身。

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