(1)環境交流・活動発表イベントを開催

環境経営に挑む 積水化学工業
今回の「積水化学グループの環境貢献」宣言は、次世代環境教育の実施。セレモニーの終了後、子どもたちは積水化学の経営陣と写真に納まった=東京都港区

 「積水化学グループは次世代を対象とした環境教育を、グローバルで実施していきます」。積水化学工業の高下貞二社長は8月6日、「ヒルトン東京お台場」(港区)で、高らかに宣言した。創立70周年を記念して7日間にわたって行われた環境交流・活動発表イベント「世界こどもエコサミット2017」の最終日を飾る、クロージングセレモニーの一コマだ。このサミットには、13カ国の積水化学グループ従業員の子どもたち47人が参加。同社の工場見学や自然観察を通じ、環境問題の現状や取り組むべき課題について学んだ。それを踏まえた子どもたちの感想や提言に基づきミッションとして掲げたのが、次世代環境教育だ。

                   ◇

 積水化学の環境理念は「エコロジーとエコノミーを両立させて成長し続けることにより、持続可能な社会の実現に貢献する、グローバルな環境トップランナーを目指す」。生物多様性が保全された地球の実現に貢献するため、(1)環境貢献製品の市場拡大と創出(2)環境負荷の低減(3)自然環境の保全-という3つの活動を軸にした環境経営を推進している。

 サミットは「失われつつある自然を次世代へ残していくためには今後どうあるべきか」といった課題について、子どもたちならではの視点でとらえ、討議し、大人たちに提言してもらうのがねらい。今回のメーンテーマは「未来のためにできること」だ。

 世界こどもエコサミットが初めて開催されたのは、創立60周年時の2007年。今回は3回目で日本をはじめ米国とカナダ、メキシコ、ドイツ、スイス、オランダ、スペイン、フランス、中国、韓国、タイ、オーストラリアの子どもたちが集結した。

 同社はCSR(企業の社会的責任)のモデル企業としても脚光を浴びている。その代表的な事例が、毎年グループ全体で環境貢献活動に取り組む「SEKISUI環境ウィーク」だ。

 このイベントが定期的に開催されるようになった契機は、12年8月に創立65周年記念イベントとして日本で開催された「世界こどもエコサミット2012」。このときは総勢85人が参加して、琵琶湖を題材とした環境学習や異文化交流を行った。そこで寄せられた子どもたちの提言を受け、環境ウィークが実行されることになった。

 13年に行われた第1回目のシンボルイベントが、タイでのマングローブ植林活動。約2000本の苗を植え、順調に育てば10年後には約260トンの二酸化炭素(CO2)削減効果を生み出す。

 14年のシンボルイベントは工業都市として発展を続ける、中国・蘇州市での植林活動。長く採石場として利用されてきたため表土がほとんど残されておらず、山火事の影響もあって岩肌が露出する荒れ地が広がっていた郊外の場所に、桜の苗木を植えた。

 15年はドイツ・コンスタンツで「欧州こどもエコサミット2015」を開催。ビーバー生息地の環境保全活動をはじめとし、自然環境に触れるイベントや体験型のワークショップなどを通じて環境について学んだ。また、グループディスカッションの成果を経営幹部に発表した。16年は米ニューヨーク市のセントラル・パークで、外来植物の除去を行った。

 こうしたシンボルイベントと並行する形でグループ各社は環境ウィークの期間中、事務所周辺の清掃活動や自然観察会などに取り組む。参加従業員・関係者は2万人超、参加率は70%を超えている。