(3)環境活動の重要性を認識

環境経営に挑む 積水化学工業
セキスイハイム工業東京事務所で体験学習

 積水化学グループは、ライフサイクル全体で「3R」(Reduce・リデュース=使用抑制、Reuse・リユース=再使用、Recycle・リサイクル=再資源化)の徹底化に力を入れており、事業活動を通じ発生した廃棄物すべてを資源として再利用する「ゼロエミッション活動」を進めている。

 「世界こどもエコサミット2017」でも、ゼロエミ活動の重要性を深く認識してもらうためのプログラムを組んだ。向かった先は、セキスイハイム工業東京事業所(埼玉県蓮田市)だ。

 同事業所は8カ所ある積水化学グループの国内住宅工場のひとつ。

 同社のユニット住宅「セキスイハイム」の強みは、住宅建設現場での作業が非常に少ないことだ。東京事業所ではトイレやキッチン、風呂が付いた四角い形状のユニットがラインの上をゆっくりと流れていく。住まいの工程の8割は工場で仕上げられ、職人不足や天候などによる工事の遅れの心配も軽減できる。

 工場生産では、雨風によって部材が劣化する心配もないため、品質を守りながら作業を行える。鉄骨などの溶接はロボットが自動的に行う。また、現場では使えないような大型機械による自動施工も可能だ。例えば鉄骨の加工の場合、工程ごとに選出された鉄骨を図面通りに自動切断。くぎ打ちも打ち損じなく最適な力で設計通りの位置に素早く打ち込んでいく。

 住宅は一般的に、現場で職人によって施工されていく。それだけに、子どもたちは一連の光景に圧倒された。

 また、セキスイハイムでは、ゼロエミッション活動に取り組んでいる。原材料として加工処理するマテリアルリサイクル、焼却処理時に発生する熱量をボイラーの熱源・発電に利用するサーマルリサイクルなどの再資源化など、ゼロエミッション達成基準を定め、実施計画、管理について審査を行う認定制度も設けている。

 建築現場と工場ではゴミの分別回収、端材の発生削減や梱包資材の再利用、部材の共用化などを推進することで、さらなる3Rの徹底化を進め、全国すべての工場、現場でゼロエミッションを達成している。

 子どもたちは工場見学と説明を踏まえ、3Rに代表される積水化学グループの生産活動における環境配慮の取り組みを改めて認識した。

 最終日の前日に当たる8月5日は、おのおのが気になる地域のことや社会について話し合う「ワールドカフェ」という催しや、グループ・ディスカッションなどに充てられた。干潟の視察や工場見学、講義などを通じて環境問題への関心が深まった出席者は、メーンテーマである「未来のためにできること」を真剣に考え、違いを活かしてディスカッションを行った。それを踏まえ、各チームに配属されたメンター(指導役)の力を借りながら、チームごとに提言を作成していった。

 そして8月6日。積水化学の幹部が見守る中、本番を迎えた。発表に先立ち、根岸修史会長があいさつ。「毎日の活動状況は、社内のイントラネットで掲載されていた。積水化学は『世界のひとびとの暮らしに貢献して地球環境を守る』というビジョンを掲げている。ただ、ビジョンは行動が伴わなければまったく役に立たない。われわれのビジョンを実現するに当たっては、われわれと一緒になって、これからどんな行動を起こすべきか、また未来のために自分は何ができるかについて相当に真剣に考えてほしい。そういった思いからサミットを開催している。サミットが視野を広げて行動を変えるきっかけになれば、こんなうれしいことはない。未来の主役たちはあなたたち。これを高らかに申し上げます」と述べ、ステージに送り出した。