アニメから舞台、ライブ、ゲーム、動物園とのコラボなどへ広がる「けものフレンズ」の人気

 
ゲームの新作「けものフレンズPAVILION」も作られている

 「けものフレンズ」人気の勢いが止まらない。動物を擬人化したキャラクターが登場する作品で、スマートフォン向けゲームアプリから始まり、今年1月から3月まで放送されたテレビアニメーションが大ヒット。9月16日に開かれた、出演声優らが登場したライブは大盛況のうちに終わり、モチーフとなった動物たちを飼育する動物園とのコラボレーションも拡大している。年末から来年にかけて新作CDのリリースや舞台の再演など話題も目白押し。メディアを超えた展開に、息の長い人気コンテンツとなりそうな雰囲気が見えている。

 9月16日に東京都江東区の豊洲ピットで開催された「けものフレンズLIVE」。テレビアニメで主人公のサーバルを演じた尾崎由香さんや、かばん役の内田彩さんら出演声優が勢ぞろいして、主題歌「ようこそジャパリパークへ」などを熱唱した。

 尾崎さんやアライグマ役の小野早稀さん、フェネック役の本宮佳奈さんで作るユニットのどうぶつビスケッツと、ペンギン役の5人で作るPPP(ペパプ)は、8月末にさいたまスーパーアリーナで開かれたアニメソングのフェスティバルに出演し、テレビの音楽番組にも登場して活躍している。「けものフレンズLIVE」では、ここにサーバルと並ぶメインキャラクターのかばんを演じた内田さんも加わったため、今まで以上の盛り上がりを見せた。

 アニメのかばんと同じコスチュームで登場した内田さんは、6月にリリースされたキャラクターソングCDに収録の「きみのままで」を歌い、「僕も早くみなさんと会いたかったです」と言って、登場を待ち望んでいたファンから歓迎の声を浴びていた。

 テレビアニメが人気となり、出演声優によるキャラクターソングが発売されて、ライブが開催されるといった展開は、アニメ作品では普通にある話。「けものフレンズ」の場合は、ここに舞台という別のメディアの出演者も加わって来る。今年6月に東京都内で開催された舞台「けものフレンズ」には、アニメの声優がそれぞれの役で出演したほか、日頃は舞台などで活躍する女優らが、アニメには出てこない役で出演した。

 9月16日の「けものフレンズLIVE」では、この舞台版で使われた楽曲が何曲も歌われた。2017年中にリリース予定の新作ゲーム「けものフレンズPAVIRION」で使われる、どうぶつビスケッツ×PPPの新曲「フレ!フレ!ベストフレンズ」も初披露されるなど、同じ「けものフレンズ」というタイトルを持った作品が、メディアの垣根を越えて大集合してファンを喜ばせた。

 舞台「けものフレンズ」は、来年1月に東京都渋谷区のAiiA 2.5 Theater Tokyoでの再演が決まっている。「けものフレンズLIVE」に来たファンで、6月の舞台を見ていなかった人も、声優陣と違和感なく共演した舞台版キャストの雰囲気を見て、舞台版を見てみたくなったようだった。「ケロロ軍曹」で知られる漫画家の吉崎観音さんが手掛けたコンセプトデザインが土台にあるから、ファンも“越境”がしやすいと言えそうだ。

 アニメや舞台、ゲームといったエンターテインメントだけでなく、動物園のような施設にも広がりを見せているのも「けものフレンズ」の大きな特長。9月16日から10月15日の日程で、千葉市にある千葉市動物公園が「けものフレンズ」とコラボレーションして、「けものフレンズ×クイズラリー すごーい! 動物観察ってたのしーい!」を開催している。

 9月21日から10月22日の日程では、京王電鉄が多摩動物公園、井の頭自然文化園とイベント「京王の電車に乗って動物たちに会いに行こう 多摩&井の頭 Zoo×けものフレンズ すたんぷらりー」を開催。多摩動物公園、井の頭自然文化園と最寄りの多摩動物公園駅、吉祥寺駅にスタンプ台を置き、すべてのスタンプを集めた人に先着でヘッドマーク型オリジナルチャームをプレゼントする。

 動物園では、埼玉県にある東武動物公園や熊本県の熊本市動植物園、愛知県の豊橋総合動植物公園、大阪府のみさき公園などが「けものフレンズ」とのコラボを実施。飾られたキャラクターのパネルと、キャラクターの元となった動物を見に来るファンで賑わった。群馬県にある野生の王国 群馬サファリパークへは、作品とコラボしたバスツアーが企画され、300人近いファンが参加して動物を見て回り、出演声優のイベントを楽しんだ。

 販売されるコラボグッズが参加の動機になっている場合もあるが、実際に動物園へと足を運んだ人の多くが動物も見て帰って行く。作品を知らず動物園に来た親子連れなどが、飾られたパネルなどを見て興味を抱くケースも出ている。アニメやマンガなどの作品で舞台となった場所が“聖地”と呼ばれ、ファンを集める“聖地巡礼”の動きは以前からあるが、動物がいる場所すべてが“聖地”になり得る「けものフレンズ」は珍しい。それだけに広い範囲で長く親しまれていく可能性もありそうだ。

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