企業の管理業務、ITで効率化 飲食業などクラウド活用 社保手続き手軽に

 
会議室で社員(右)に健康保険証を手渡すユナイテッド&コレクティブの人事担当者=東京都内

 社員を増やしている飲食業などで社会保険をはじめ煩雑な手続きをITで効率化する動きがみられる。インターネット上でデータ管理するクラウド型のソフトウエアなどを活用、新たな機器を入れずに対応している。小規模な企業も簡単に導入、今後も広がりそうだ。

 首都圏で約60店の居酒屋チェーンを展開するユナイテッド&コレクティブは昨年夏、スマートHR(東京都渋谷区)が提供する人事・労務ソフトを導入した。

 2020年に200店に拡大する計画で、新卒や中途の採用を大幅に増やしている。社員の入社時の作業が増加、効率化が課題となっていた。

 新たなソフトを取り入れたことで、担当者は「作業量が大幅に減った。その分、お客さんへのサービス向上に注力できる」と話す。

 昨年秋に2度目の転職で入社した30代の女性は「前回の転職の際は、手書きの書類を多くの部署に提出して大変だった。今回はパソコンで作業が完了。健康保険証がすぐに届いたので安心している」と満足した様子だ。

 スマートHRは15年にこのソフトを開発、企業にとってはサーバーなど新たな機器を入れる必要がなく負担が少ないことから、これまで約5000社が導入した。宮田昇始社長は「数十人のベンチャー企業を中心に関心が高く、さらに広がる余地が大きい」と期待する。

 カオナビ(東京都港区)は、顔写真とプロフィールなどのデータをネット上で結び付け、社員がパソコンやスマートフォンで見ることができるサービスを提供している。

 「お互いの顔と名前が把握しやすくなるほか、職歴などを知ることでコミュニケーションの活性化に役立つ」と柳橋仁機社長は強調する。

 当初は小規模だったベンチャーも、社員が増えるとお互いに顔と名前が一致しなくなり、仕事がスムーズに進まなくなる懸念がある。こうした問題を解決するのが開発の狙いだった。

 飲食業やIT企業では、最近増えている外国人社員の名前を覚えるのにも役立っているという。12年に提供を開始し約640社が導入、18年夏までに1000社に拡大する計画だ。

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 【用語解説】企業の管理業務のIT化

 売り上げ管理や給与計算など会計分野で導入が先行、人事・労務分野にも広がりつつある。