お台場→渋谷 テレポーテーションに成功!?東京五輪には…5Gで風景変わりそう

動画あり・経済インサイド
東京・渋谷に映し出されたアイドルグループ「アンジュルム」の和田彩花さん(左)と「アップアップガールズ(仮)」の佐保明梨さんのリアルな3D映像=12日(大坪玲央撮影)

 NTTドコモが、東京・お台場でライブを開催していた女性アイドルを渋谷にテレポーテーションさせる世界初の実験に成功した?!-。SFの世界の出来事のようだが、実際は、生身のアイドルを転送させたかに思えるほど、リアルな3D映像をお台場から渋谷に生中継するという実験だった。ドコモはNTTグループの映像・音声の伝送技術「Kirari!(キラリ)」を活用し、ライブのほかにもスポーツの3D中継などをスマートフォンに転送するサービスの提供を目指し、実験を進めている。

 「歌っている間に渋谷に行ってたね」。アイドルグループ「アンジュルム」の和田彩花さん(23)と「アップアップガールズ(仮)」の佐保明梨さん(22)は、3D映像をお台場のライブ会場から渋谷のタワーレコード地下1階の会場に生中継する実験で歌を披露した後、笑顔でこう話した。

 渋谷会場では当初、和田さんと佐保さんの姿は平面のスクリーンに映し出されていたが、アンコールになると、突然、2人の姿が立体的な映像にチェンジ。いきなりのリアル映像への変化に会場からも驚きの声が上がった。

 今回の実験は、3D映像を中継する通信環境の確認のほか、3D映像の生中継がエンターテインメントとして成り立つかを、ファンの反応で確認することなどが目的だった。渋谷会場で3D映像を視聴したアンジュルムのファンの男性(44)は「本当に目の前で歌っているみたいに立体的でびっくりした。平面の映像とはだいぶ違いました」と話した。

 今回はお台場と渋谷の間で映像・音声を転送するのに、NTTグループの固定の光回線を活用し、携帯電話回線は活用されなかった。しかし、平成32年の全国提供を予定している高速通信の第5世代(5G)移動通信方式を活用すれば、スマホで3Dなどリアルなライブ中継を視聴できる可能性があるという。

 ドコモの山下智正デジタルコンテンツサービス担当部長は「『どこでも音楽ライブ』を目指して、高音質で高臨場感の映像を普及させることを目指している」と語る。2020年東京五輪・パラリンピックの競技の生中継も視野に入れているという。

 携帯電話大手は、超高精細な画質「8K」、現実にはあり得ない世界に入り込んだ感覚が得られる「仮想現実(VR)」など大容量の動画コンテンツが提供しやすくなる5Gの普及を前に、新たな動画や映像の提供に向けた実験を進めている。KDDIは日本航空などと組み、国際線の機内でVRの映像コンテンツを楽しめるサービスの実証実験を実施。ソフトバンクも、4方向から撮影した動画を合成して、さまざまなアングルからの映像を楽しめる動画の実験を公開した。各社は、スマホ利用料金で稼ぐ従来ビジネスだけでなく、動画などのコンテンツで稼ぐビジネスにも本腰を入れ始めている。(経済本部 大坪玲央)

 5G 携帯電話などの端末で通信する「第5世代移動通信方式」の略。現行のLTEと比べて速度は数十倍の毎秒10ギガ~20ギガビット、遅延は1ミリ秒程度とLTEの10分の1で、自動運転車への情報伝達にも優れるとされる。また、1平方キロ当たり100万台の機器と接続できる。平成32年度の実現を目指し、産官学の研究開発が進められているほか、総務省は主要国との連携・協調を通じた標準化活動や周波数の具体化などにも取り組んでいる。

Read more