日常生活の不便を発明で解消 ママのアイディア工房・鈴木未夏子社長

 
ヒット商品となった「お弁当袋になっちゃう!!ランチクロス☆」。ひもを引っ張るだけで弁当箱を包むことができる

 日々の家事や育児の中で不便だと感じたことを創意工夫によって発明で解消する「ママのアイディア工房」の鈴木未夏子社長は、発明学会の主催するコンクール「身近なヒント発明展」で2010年から17年まで8年連続受賞している。中でも14年に優秀賞に輝いた「お弁当袋になっちゃう!!ランチクロス☆」は、ランチクロスを結べない幼い子供でも、ひもを引っ張るだけで弁当箱を包める利便性が評価されて、15年3月の発売から約5000枚を売るヒット商品となっている。

 ◆コンクールで受賞

 当時4歳だった次女がランチクロスをうまく結べないのを見て、「多くの幼児が困っているのではないか」と結ばなくてもいい製品を開発しようと思い立つ。100円ショップで素材を購入し、実験と試作を繰り返して完成させた。「何度もやり直すうちに少しずつ問題点が見えてきて、完成に近づいていく過程が楽しい」と発明の醍醐味(だいごみ)を語る。

 最初の発明は介護をしていた祖母のためだった。眼鏡やリモコンを探すのに苦労しているのを見て、収納用の布製「枕元ポケット」をつくる。祖母が大変喜んでいるのを見て、発明学会のコンクールに応募したところ努力賞に輝いた。

 「初出品でいきなり賞をもらえたのでうれしかった」と発明への意欲に火がつく。以降、日常生活の中で「不便だな。どうにかならないかな」という疑問が浮かぶたびに、忙しい家事と育児の合間をぬって実験と試作を繰り返してきた。

 ヒット商品となったランチクロスに続き、東日本大震災を機に行われた「被災者支援アイデアコンクール」で優勝した「おんぶ紐つきジャンプスーツ」を今年中に売り出す。

 震災などの災害時に乳幼児に着せる避難用具として開発。普通の防寒着のようにみえるが難燃素材を使ったものもあり、おんぶひもが内蔵されているため、有事の際には素早く安全な避難に役立つ。

 ◆売り上げ倍々目指す

 次々に発明をする秘訣(ひけつ)を「頭の中に『不便なことはないか』と常に問いかけることで、ふとしたことからアイデアが浮かぶ」という。例えば自宅周辺の郵便ポストの場所がすぐには思いつかなくても、「郵便ポストどこだったかな」と頭の中に問いかけて外出すると、自然と郵便ポストが目に飛び込んでくるようになるといった具合だ。「発明が日常生活の一部になり、コンクール出品がモチベーションとなっている」

 16年には法人化し、本格的な事業化に乗り出した。ヒット商品のランチクロスを角形ではなく新たに丸形にして、高級雑貨や訪日外国人向けの土産物としての商品化を企画している。「丸形のランチクロスは他で見かけることがなく差別化につながる」。すでに強い関心を示す雑貨チェーンもあり、魅力ある商品開発にも取り組んでいる。

 「今年は昨年と比べて売り上げ倍増、来年はさらにその2倍増やすことを目指す」と成長を加速させていく。

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【プロフィル】鈴木未夏子

 すずき・みかこ 共立女子大国際文化卒。物流機器メーカー、インド綿雑貨の卸業を経て、2016年2月ママのアイディア工房を設立し、現職。43歳。東京都出身。

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【会社概要】ママのアイディア工房

 ▽本社=東京都品川区小山3-27-5-605

 ▽設立=2016年2月

 ▽資本金=100万円

 ▽従業員=1人

 ▽事業内容=オリジナルアイデアグッズの企画・製造・卸・販売

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