みなと銀行による農業参入支援(2)

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新庄徹也・投資業務部副部長

 ■コンサル含め“三人四脚”で推進

 兵庫県養父市の建設業者・福井建設による農業参入。新しい法人の設立や事業の立ち上げには資金調達が伴うため、2015年6月にみなとキャピタルから新庄徹也・投資業務部副部長がサポートに加わる。

 同社は、中小企業向けの投資業務に加えコンサルティング業務も行う、みなと銀行の関連会社。新庄副部長は農業経営アドバイザーの資格を持っており、その点からも適任だった。この“三人四脚”体制のもと栽培品目の策定から検討が始まった。

 福井美樹男社長がしいたけ栽培に関心があるということだったため、新庄副部長はしいたけの工場栽培を行っている事業者を紹介。「栽培の現場を見学し、近年の販売動向や収益シミュレーションを提示してもらい、事業として軌道に乗せられそうか検討を重ねた」(新庄副部長)という。

 しいたけ栽培に関しては、1カ月ほどして、養父市では難しいとの判断に至った。事業として一定の収益を得ようとすれば菌床の製造から行う必要があるが、養父市では菌床の材料となる「おが粉」の安定調達が容易でなかった。

 次に着目したのが、事業化することになるニンニクだ。国産ニンニクの産地は青森県が有名だが、養父市は寒暖差や降雪量など気候が青森県とよく似ており、ニンニク栽培に適した土地だということが分かった。

 ニンニク栽培に関しては養父市にパイオニア的生産者がいたため、その手を借りてノウハウを学び、事業化の方針を固めていった。そのパイオニアとはヤンマーとアルバム製造最大手・ナカバヤシの子会社の兵庫ナカバヤシの2社だ。どちらも異業種から農業へ参入し、同市で野菜の生産を行っている。

 福井建設が栽培方法について相談すると、二つ返事で了解が得られた。両社とも、養父市をニンニクの産地化することでさらなる事業の発展を目指しており、新たな生産者の誕生を歓迎してくれたという。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp

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