リリースは見出しとリード文が重要

Bizクリニック

 □広報ブレーン代表取締役・管野吉信

 企業がニュースをメディアに取材・報道してほしいときには、一般にそのニュースの概要をまとめた「ニュースリリース」を作成する。全国をカバーするメディアには毎日、200~300本ものリリースが記者クラブ経由や郵送、メール、ファクスなどで送られてくる。取材、記事掲載の価値があると判断してもらうにはインパクトのある見出しと、要点を冒頭の文章に簡潔にまとめたリード文(前文とも言う)が重要だ。

 メディアは社会性、他にない特徴、ストーリー性、今日性、話題性を記事掲載の尺度としている。実際に新聞を見ると、見出しにこれらの尺度が織り込まれていることが分かるだろう。さらに記事のリード文はニュースの要点がそれだけで分かるようになっている。リリースも基本的に同様の書き方をすればいい。まず、リリースの見出しは新製品開発、他社との提携、海外進出などのニュースの要点を1行にまとめる。さらにニュースの社会性、他にない特徴、話題性などを1行追加し2行立てとすることを勧めたい。そうすれば、メディアがリリースの見出しだけで価値をある程度、判断できる。

 さらにリード文は、5W1H(だれが、いつ、どこで、だれと、何を、どうする)を簡潔にまとめ、見出しに1行付けた社会性、他にない特徴、話題性などを織り交ぜる。リリースはこの見出しとリード文でニュースの本質が分かるように仕上げるのが望ましい。

 リード文以降の文章は5W1Hの詳細、ニュースが生まれた背景、ニュースにかかわる世の中の動き、ニュースにたどり着いたストーリーなどをまとめる。ここまででA4用紙1枚が理想的だ。末尾に会社概要、問い合わせ先を付け加えれば、リリースが出来上がる。写真があれば、リリースに貼付するか、別途用意する。

 リリースを作成するにあたり、大切なことは記者をミスリード(誤った方向に誘導)しないことだ。例えば、世界初、日本初と書きたくても、その検証ができなければ「珍しい」といった表現に抑える。また、関係者が複数存在するリリースの場合は、事前に関係者間の調整を十分に行った上で作成する。リリース通りに報道され、それが誤りだった場合、記者の取材不足ともいえるが、リリース発信企業の信用低下は免れない。

 記事はニュース性のあるものが選ばれるので、広告・宣伝色が濃いリリースは逆効果となる。「画期的な」「格段に」といった言葉は控え目にして、社会に対する影響を冷静に書こう。また、業界用語、技術用語は平易な言葉に置き換えよう。専門家ではない記者が、多くの読者に分かってもらえるよう記事を書くのだから、分かりやすさを心がけないと掲載されない。

【プロフィル】管野吉信

 かんの・よしのぶ 駒大法卒。1981年日刊工業新聞社入社。中小企業部長、金融市況部長、第1産業部長、経産省の中小企業政策審議会臨時委員。2007年ジャパン・デジタル・コンテンツ信託に入社し広報室長。執行役員として粉飾決算などの不祥事の後処理を担当。12年7月広報ブレーンを設立し、現職。58歳。福島県出身。

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