ネットにはない付加価値を提供 スポーツ専門店「ゼビオ」

トップは語る
インタビューに答えるゼビオの加藤智治社長=16日、東京都神田錦町のゼビオ東京オフィス(酒巻俊介撮影)

 □ゼビオ社長・加藤智治さん(43)

 --全国に約170のスポーツ専門店を展開している。スポーツ関連市場の足元の経営環境は

 「大手カジュアル衣料品店などもスポーツ関連に参入し、それらも含め市場は伸びている。理由としてはリオ五輪での日本選手の活躍や、政府が2025年のスポーツ産業の市場規模を15年比で3倍にあたる15兆円にする目標を掲げ、後押ししていることも大きい。もちろん、東京五輪・パラリンピックの開催決定もある。特にテニスや卓球といった個人スポーツの市場が伸びている」

 --小売業界ではインターネットの対応が重要だ

 「ネット販売を強化する。一方でEC(電子商取引)専業にはできない、実際の店舗の良さを生かした取り組みも進める。ネットで購入した商品をリアルの店舗でメンテナンスするとか、在庫をネットで検索して店舗で購入・配送するビジネスも研究している。武道など店舗で扱いきれない商品もあるが、ネットで発注できれば、あらゆるスポーツ商品を提供できる可能性がある」

 --今後の店舗展開は

 「立地を吟味しながら新規出店も検討するが、まずは既存店を活性化する。例えば、10月に東京都調布市にリアルとネットなどデジタルを融合した次世代型の新店舗を開く。フットサルのコートを備えるなど、モノを売るだけでなく“体験”も提供する。こうした取り組みを既存店に横展開して、収益性を高めていく」

 --現役アスリートを積極的に採用している

 「専門性を持ったトップレベルの選手が店で接客するのは、ネットにはない付加価値だ。アイスホッケーやアメリカンフットボール、陸上など約40人の現役アスリートを雇用している。競技を引退しても基本的には働き続けてもらう。トップ選手にスポーツをとことん続けてもらえる環境も提供したい」

【プロフィル】加藤智治

 かとう・ともはる 東大大学院工学部卒。ドイチェ証券、マッキンゼーアンドカンパニー経営コンサルタントなどを経て、2009年1月あきんどスシロー専務。15年6月ゼビオ副社長、同年9月ゼビオ分割準備会社(現ゼビオ)社長。熊本県出身。