2年目迎えたBリーグ、将来に向け「基礎固め」 健全経営へ正念場

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Bリーグの栃木-三河戦でドリブルする栃木の司令塔、田臥勇太選手=9月29日、宇都宮市体育館

 プロバスケットボールの「Bリーグ」2年目が始まった。

 昨年2つの国内リーグを統一してスタートしたBリーグ。今季は、将来に向けた基礎固めの年になるといっていい。

 36歳のレジェンド・田臥勇太選手擁する昨年の覇者、栃木ブレックスは、チャンピオンシップ4強の一角、シーホークス三河相手に1勝1敗。連覇に向けて、まずまずの滑り出しである。

 栃木は本拠地・ブレックスアリーナ宇都宮に開幕戦の9月29日が4012人、同30日には過去最多記録4058人を更新する4111人の観客を集めた。

 栃木は「いいモデル」

 Bリーグ初年度、1部リーグ(B1)の1試合平均観客動員数は2754人。5000人規模のアリーナをB1クラブに求めるBリーグにとって、「大成功とはいえないものの、ある程度の成果」(大河正明チェアマン)であった。

 1試合平均3356人の栃木は、千葉ジェッツの4501人に続く2位である。NBL時代の2015~16年シーズンは2601人、実に3割近く動員数を増やした。

 今、地元宇都宮では新たなアリーナ建設計画が進む。観客収容人員は1万人規模。そのステップとして、今季は、4000人の大台を目指したい。

 栃木は昨季、売上高もクラブ史上初となる10億円の大台を突破、10億2505万円を記録した。経常利益2389万円とともに過去最高である。

 B1クラブの売上高を「7億円程度」と試算するBリーグにとって、栃木は「いい経営モデル」である。内訳は、37%を占めるスポンサー料が3億7730万円、動員増のチケット収入が27%で2億7250万円。さらに、グッズ収入が10%の1億320万円、子供たちを指導するスクール収入が8%の8230万円と続く。Bリーグへの関心の高さ、初代王者に輝いた好成績が数字を押し上げた。

 運営会社では、そうした背景をもとに、さらなるプロモーションの拡大、試合でのアリーナ装飾や演出設備への投資、フロント人材の強化などの取り組みを掲げる。スクール事業は将来を見据えたファン層の拡大であり、過去最大となったファンクラブ会員数の増大にも大きく関わってくるだろう。

 ここはまた、栃木銀行や下野新聞、リンクアンドモチベーション・グループ、産電といった地元ゆかりの8企業体をスポンサーに迎え、地元密着を打ち出している。実は、それをより徹底しているのが圧倒的な観客動員数を誇る千葉だ。

 原動力に協賛企業群

 千葉は売上高9億1612万円。10億円台には届かなかったものの、前年の6億円台から50%強増え、経常利益は約3800万円と前年より約20%伸ばした。原動力が「パートナー」と呼ぶ協賛企業群である。

 年間100万円以上出資した企業を「パートナー」に認定、現在307社を数える。千葉銀行や千葉興業銀行、中山競馬場に淑徳大学、千葉商科大学、さらには船橋整形外科、鷲見医院など多種多彩な支援グループだ。これらパートナー収入が約4億円で千葉財政の4割以上を支えている。

 Bリーグ初年度効果の取り込みや、天皇杯優勝効果はいうまでもなく、こうした経営努力と目標達成が、千葉を「Bリーグの優等生」に押し上げた。

 正直にいえば、栃木や千葉、そして観客動員1試合平均3321人の琉球ゴールデンキングスは別格である。琉球は沖縄市に新たな本拠地となるアリーナ建設が進行中、地元自治体を含む協力がさらに期待できる。

 しかし、B1でも観客動員が2000人に満たない京都や、売り上げが4億円に届かない富山など経営面で苦労しているクラブは少なくない。まして、B2、B3のなかには存続の危機に直面するクラブもある。

 Bリーグでは、一部クラブしか公開していない経営情報をB1、B2全36クラブに開示させる方針を固めた。財務状況の透明性担保と健全経営を促す狙いで、年内に正式決定する予定だ。さて、蓋を開けてどんな数字が出てくるだろうか。

 また、東京では代々木第1、第2体育館や東京体育館などの改修のため、会場問題も浮上するなど、問題は山積する。栃木や千葉といったトップクラブが牽引(けんいん)して、いかに問題に対処、理念と普及の輪を広げていくことができるか。2年目のBリーグへの宿題である。(産経新聞特別記者 佐野慎輔)

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