JOLED、1千億円規模増資へ 有機EL量産で国内支援募る

 
JOLEDが開発した印刷方式の有機ELパネルを用いた医療用モニター=東京都港区(万福博之撮影)

 官民ファンドの産業革新機構傘下で次世代パネルの有機ELを開発するJOLED(東京都千代田区)が、1千億円規模の増資を検討していることが4日、分かった。低コストで生産できる独自方式の有機ELの量産を平成31年にも開始する予定で、設備投資資金を確保するのが狙いだ。

 JOLEDはソニーなど国内の有機EL関連メーカーや取引先企業などに出資の打診を始めた。国内勢から幅広く支援を得て、量産にこぎつけたい考えだ。

 株主である中小型液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)が年内に稼働を停止する能美工場(石川県能美市)を引き継ぎ、生産拠点とする方向。

 JOLEDが量産する有機ELは、発光材料をプリンターのように塗り分ける「印刷方式」と呼ばれる製造方式を用いる。先行する韓国サムスン電子の「蒸着方式」と比べ、投資費用が安く済み、製造コストを抑えることができる。

 JOLEDは中型以上のサイズのパネル向けに売り込む方針。すでに、ソニーが医療用モニターへの採用を内定している。

 液晶より高精細で省エネ性能も高い有機ELは、スマートフォン向けやテレビ向けなど、幅広い用途で採用が広がる見通しで、数年で液晶を上回る市場規模に成長するとみられる。

 だが、現時点で安定供給できるのはサムスン電子など韓国勢のみだ。JOLEDのほか、JDIもスマホ向けの小型有機ELパネルの量産を31年にも始める計画。日本勢も早期に量産できる体制を確立し、巻き返しを図ろうとしている。

 JOLEDは革新機構が主導し、ソニーとパナソニックの有機EL事業を統合して設立した。革新機構が75%、JDIが15%、ソニーとパナソニックが5%ずつ出資している。