TBS「ビビット」の「放送倫理違反明らか」とBPO 多頭飼い男性を「犬男爵」

 

 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(委員長=川端和治弁護士)は5日、ホームレスの男性を「犬男爵」などと呼び傷つける表現をしたTBS系情報番組「白熱ライブ ビビット」について、「男性の人格を傷つけるだけではなく、ホームレスの人々への偏見を助長する恐れもある」として、「表現は不適切であり、放送倫理違反は明らか」とする意見をまとめた。

 問題となったのは、1月31日の放送。多摩川の河川敷で、法律で定められた狂犬病の予防接種を受けさせずに犬を多頭飼いしてるホームレスの男性を取り上げ、「犬男爵」「人の皮を被った化け物」などの表現で紹介していた。

 意見書では、日本民間放送連盟(民放連)が取材対象の人権を守るために定めた放送基準に抵触すると指摘。そのうえで、「強烈な言葉だけをピックアップした編集や表現方法には弁解の余地がない」などと厳しく批判した。

 同番組は2015年9月以降、多摩川河川敷のホームレスの暮らしぶりなどを特集する「多摩川リバーサイドヒルズ族」としてシリーズ化されていた放送の7回目だった。

 意見書は、問題視されることもなく放送を重ねていた背景にも言及。制作者側に「多摩川のホームレスは(河川敷の占拠という)違法行為をしているのだから、文句を言ってこない」という「集団的無意識」があったと指摘。川端委員長は意見書を公表した記者会見で「ホームレスという社会的弱者に対する無理解と偏見が共有されていた」などと説明した。

 同番組をめぐっては、放送後に視聴者から批判が相次ぎ、TBSが謝罪している。