日産直接対応で「正常化へ一歩」 「安全」主張には顧客反発も

 
日産自動車グローバル本社=横浜市西区

 日産自動車は、新車の無資格検査問題で38車種約116万台の大規模リコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。同社は直接の顧客対応を通じて、正常化への一歩としたい考えだが、「安全性や品質に問題はない」という主張は受け入れられるか-。(高橋寛次)

 日産によると、リコール台数が多いだけに、所有者にダイレクトメール(DM)が届くのは今月下旬以降になるという。DM到着前でも所有者がリコールを希望すれば対応する。対象の車両かどうかは、日産のホームページ内のリコールに関するサイトで車台番号を入力するとチェックできる。

 焦点は実際の安全性に問題があるかどうかだ。西川広人社長は2日の記者会見で、「検査そのものは確実に行われており、安心・安全に使っていただける」と強調していた。

 品質ではなく、あくまで「手続き」に問題があったとの主張だ。

 顧客に安心してもらいたいという思いをにじませたが、すんなり受け入れてもらえるかは未知数だ。むしろ、無資格検査による大規模リコールを実施する日産が「問題ない」と強調することで、逆に反感を招く恐れもある。

 西川社長は会見で頭を深々と下げることはなく、「謝罪会見」とは一線を画した。日産の一連の対応について、ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表は「ルールはルール。安全の象徴でもある型式認証制度から逸脱した行為で、謙虚さが必要」と指摘する。

 日産・仏ルノー連合の拡大路線の一翼を担ってきた日産だが、顧客からそっぽを向かれれば、順調に伸ばしてきた世界販売台数にも悪影響が出かねない。難しい対応を迫られる場面が続きそうだ。