日産無資格検査 再発防止へ制度見直しが焦点に

 
日産自動車グローバル本社=横浜市西区

 日産自動車がリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出たことで、無資格検査問題の消費者対応は区切りを迎えた。今後は検査制度見直しに焦点が移るが、現在は検査資格にメーカーの“裁量”が大きく働く仕組みのため、国交省は制度の運用見直しも視野に再発防止策の検討を急ぐ。

 道路運送車両法では、出荷前の新車は車検場に持ち込んで1台ずつ車検を受ける必要がある。

 ただ新車を大量生産するメーカーは、自社の「完成検査」で保安基準を満たすと国交省に認められた「型式」通りに製造したかチェックすれば、車検を受けたとみなされ、効率的な製造・販売が可能だった。

 完成検査は、メーカーが認定した検査員が実施することで安全を担保するが、日産は認定を受けていない「補助検査員」が一部を担当していた。

 石井啓一国土交通相は「制度の根幹を揺るがす行為」と批判する。

 計約116万台のリコールにより、販売済み車両の安全対策については一定の決着が図られる一方、制度をめぐる課題は残されたままだ。

 国交省の実施要領では、メーカーが「必要な知識と技能を有する者」を検査員に認定するとし、国が厳格な基準を定めていない。日産側は記者会見で「補助検査員は『自分に検査資格がある』と思っていたかもしれない」と説明しており、メーカー任せの制度運用が今回の問題につながった面は否定できない。

 石井国交相は6日、「検査の確実な実施のため、見直すべき点がないかどうか検討したい」と述べ、制度の運用見直しを含めた再発防止策を検討する。

 「第2の日産」を生まないためには検査基準を明確にするなど、可能な限り「曖昧さ」を排除する観点が求められそうだ。(佐久間修志)

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