空港内保育園、視界は良好 不規則勤務に対応、人材確保へ増加

 
羽田空港の七夕飾りの前で合唱する、「羽田空港アンジュ保育園」の園児たち

 保育園を設置する空港が増え始め、勤務時間が不規則で天候にも左右されやすい航空・空港職員に支持されている。子供の誕生で退職する人が多かったが、「おかげで仕事を続けられる」と感謝の声も。2020年東京五輪・パラリンピックに向け、訪日客を迎える人材の確保に重要な役割も担う。

 7月7日、羽田空港の国内線出発ロビー。七夕のササ飾りを前に、浴衣姿の子供たちの声が響き渡った。合唱したのは第1ターミナルビル内にある「羽田空港アンジュ保育園」の園児たち。こうした空港内のイベントに引っ張りだこだ。

 開園は10年前。園によると、当初は地元の保育園に空きが出るまでの「一時預け先」に見られがちだった。だが職場に近い上、午前7時から午後11時まで預けられることから、需要は高まり入園待ちも出る状態に。今年4月、さらに第2の園をオープンさせた。

 長男(5)を入園させる全日空の客室乗務員(CA)、日暮章子さん(49)は出産後しばらくして職場復帰し、今は国際線のロングフライトも月2回ほどこなす。大雪で急遽(きゅうきょ)乗務を打診され、園に相談して午前5時ごろから預けたこともあり、「空港の保育園なしに仕事はできなかった」と言葉に実感を込める。

 今ある中で設置が最も古いのは04年の成田空港だ。昨年以降は中部、鹿児島、関西の各空港でも相次いで開園した。

 鹿児島空港では約1800人が働く。ターミナルビル運営会社は、出産に伴う離職者が増えたことから「空港特有の勤務に合わせた保育園が必要」と、昨年4月に「鹿児島空港わらべ保育園」の設置にこぎ着けた。

 鹿児島空港を拠点に離島路線などを運航する日本エアコミューターのCA、渡辺陽子さん(29)は2児の母。第2子を出産後、職場復帰については、自分もパイロットである夫も実家が遠く、親たちのサポートを受けられないことから迷っていた。そんな中、わらべ保育園のことを同僚から聞き、一時保育を利用してみて復帰を決断した。

 午前6時すぎに出勤する日や、6便乗務する日も。夫婦で出勤が遅い方が預け、先に帰る方が迎えに行く毎日だ。「子供に働く姿を見せたい気持ちがあった。4歳の娘は『CAになる』と言っている」と笑顔で話す。

 わらべ保育園の保育時間は午前6時から午後10時まで。月末に航空会社の翌月のシフトが決まると、それに合わせて保育士の勤務を組み替えて柔軟に対応するときもある。田中洋己園長(69)は「今までは子供ができると仕事を辞めざるを得ない人もいた。そういう事情を解決したい」。評判を聞き付け、今では他空港の関係者も多く見学に訪れている。

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