遊技産業の視点 Weekly View

 □ワールド・ワイズ・ジャパン代表、LOGOSプロジェクト主幹・濱口理佳

 ■ドメスティックゲームとしての理解仰ぐ

 カジノ実現を背景に“ギャンブル依存症”が社会問題のように取り上げられてきた。そういう世情を考えると、大人の遊びや嗜好(しこう)の自由度が徐々に狭められていくような気がする。とはいえ人間は、多くの人が“何か”に依存して生活している。それは家族や恋人の存在であったり、仕事であったり、趣味やスポーツなどさまざまだ。適度な依存は決して“悪”ではない。

 さて、遊技業界が市場シフトに終始しているここ1年、アルコール業界でも動きがあった。昨年7月に最終改正された「酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準」の影響だ。これにより広告起用タレントの年齢も25歳に引き上げられたが、これが米英に合わせた形となっているのを2014年9月に国立国会図書館調査および立法考査局社会労働課が出した「米英仏のアルコール対策-飲酒に関する法規制と健康対策-」のリポートで知った。同リポートの内容を見る限り、今後、欧米とは食生活や体質の違いにかかわらず、グローバルスタンダードの名の下、居酒屋から飲み放題プランがなくなり、公共の場所での飲酒禁止で日本の春の風物詩である「花見」さえできなくなるのではないかとの危惧さえ覚える。

 グローバルスタンダードも重要だが、その前に「日本には日本にふさわしいルール」がある。日本人の価値観・固有の文化をいたずらに排除しない“おおらかさ”を世論に取り戻すことは、不可能に近いのか。

 パチンコ・パチスロも日本独自の娯楽文化だ。ドメスティックゲームゆえに他国の人々の理解を得ることが難しいのは当然のこと。これは食文化でも同様だ。それゆえに、積極的に理解を仰ぐべく、パチンコ・パチスロ文化の魅力がどのようなものなのか、日本に根付いてきた背景や国民性などに照らしながら国内外に発信していく必要がある。グローバルスタンダードがまるで“是”のように語られるいま、データなどによる正確な遊技産業像を示すのと同時に、パチンコ・パチスロという遊びの魅力を文化的側面からも分かりやすく示し、日本独自の娯楽文化としてのポジショニング強化を図らねばならない。

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【プロフィル】濱口理佳

 はまぐち・りか 関西大学大学院文学研究科哲学専修博士課程前期課程修了。学生時代に朝日新聞でコラムニストデビュー。「インテリジェンスの提供」をコアにワールド・ワイズ・ジャパンを設立。2011年、有志と“LOGOSプロジェクト”を立ち上げた。