アジアで売れない日本消費財メーカー、理由は「4P」にある まず3Pの見直しを

新興国に翔ける

 □スパイダー・イニシアティブ 代表・森辺一樹

 食品、飲料、菓子、日用品など、日本の消費財メーカーの多くが、既に数十カ国に輸出をしており、複数の国々に生産拠点を持ち、積極的に海外展開をしている。しかし、ごく一部の企業を除いて、なかなか思った通りの売り上げやシェアが得られていないのが現状だ。アジア新興国市場を含め、一般消費財市場における世界の10大メーカーは、残念ながら全てが欧米企業。日本の消費財メーカーがアジア新興国で成功できない理由はどこにあるのか。今回は、その答えを探りたい。

 マーケティング・ミックスをご存じの方も多いだろうが、商品を売るには、「Product」「Price」「Place」「Promotion」の4つの「P」が重要だ。アジア新興国におけるターゲットは、ボリュームゾーンである中間層でなくてはならない。

 つまり必要な「4P」とは、中間層が求める商品を、中間層が買える価格で、中間層が買いやすい場所に並べて、中間層が選びたくなるような仕掛けをする-ということである。結論を先に言えば、うまくいかない消費財メーカーは、この4Pが最適化できていないから商品が売れず、シェアが上がらないのだ。

 実際に日本企業が行っている「4P」はどうなっているのか。「Product」は、日本で成功した商品をあまり変更せずに済ませたい。「Price」は、いい原材料を使って高い技術力を駆使して作っているのだから、若干安くはしても劇的に安くはできない。「Place」は、伝統小売りの攻略は難しいから近代小売りに置こう。「Promotion」は欧米のようにコストをかけることはできないから、ある程度売れてから投資しよう。誇張していえば、このような自分本位の「4P」になっている。ここから、最適化していかなければならないのだ。

 日本で実績のある「Product」でも、自分たちができる範囲内でコストを削減した「Price」でもだめで、アジア新興国の消費者の生活水準を考えた上で、どのくらいの金額だったら中間層が買えるのかを考えるべきなのだ。ランチが150円で食べられる国で、その国では無名の100円菓子は誰も買わないということを肝に銘じなければならない。「Place」は、アジア新興国の多くで小売市場の8割を占める伝統小売りこそが、中間層が買いやすい売り場なのだ。「Promotion」は、アジア新興国では自社商品の知名度が皆無であることを自覚し、最初からある程度のコストをかけていく必要がある。「Product」「Price」「Place」の3つのPが最適化されれば、「Promotion」の効果も自然と高まっていくだろう。

 「4P」を最適化することが、取りも直さずアジア新興国で売れる仕組みを作るための非常に重要な鍵なのだ。

【プロフィル】森辺一樹

 もりべ・かずき 海外販路構築のスペシャリスト。15年以上にわたり1000社以上の海外展開の支援実績を持つ。アジア新興国市場の販路構築が専門。海外市場開拓コンサルタントの第一人者として活躍中。“アジアで売る”ためのノウハウをネットラジオで無料配信中! www.spyderagent.com/podcast

 >>森辺氏のツイッターは @kazukimoribe

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