東芝株主不満、逆提案も「子会社売却できないときは…」「大物の社外取締役いるのに」

 
会場受付へ向かう株主ら=24日午前、千葉市美浜区 (川口良介撮影)

 東芝の臨時株主総会では株主から経営危機の再燃を懸念する厳しい声が相次いだ。

 東芝メモリの売却は契約交渉で迷走を重ね、当事者能力の欠如を露呈した綱川智社長は総会の冒頭で「改めて心からおわびする」と陳謝した。

 売却手続きは独占禁止法に基づく関係各国の審査に入ったが、債務超過解消の期限となる2018年3月末に売却が間に合うかは微妙な情勢で、質疑に入ると「子会社(東芝メモリ)を売却できなかった場合はどうなるのか」と、株主が問いただした。

 綱川社長は、売却完了が遅れた場合に備え「いろいろな手段を考えている」と述べ、上場維持のための代替策を検討していることを明らかにした。ただ具体案は示さず、ある株主は業を煮やしたのか「子会社売却ではなく、(東芝メモリ買収に参加する)米IT4社の約4155億円の出資を本体に入れることを検討しては」と、逆提案する一幕も。そもそも「(稼ぎ頭の)東芝メモリを売って再建はできるのか」と、先行きを不安視する株主もいた。

 企業統治(コーポレートガバナンス)のあり方への批判も出た。15年に発覚した不正会計問題に端を発して騒動が続いたことに「大物の社外取締役もいるのに、なぜ不祥事が起きたのか」と株主から追及する声があがり、会社側は「ガバナンスの不全は確かにあった。引き続き改善を進めていく」と理解を求めた。

 一方、ごたごた続きで人材が社外に流出しているのではないかと問われた綱川社長は「人材流出で研究開発や事業に問題は発生していない」と釈明した。

 総会は全ての議案を原案通り可決、取締役は現在より1人多い計10人。綱川氏ら8人は再任、秋葉慎一郎副社長ら2人は新任で、東芝メモリ社長を兼務する成毛康雄副社長は取締役を退いた。

 2時間52分の総会開催中、大荒れとなる場面はなく、議事は進んだが、出席した株主の多くは納得がいかないという表情だった。(柳原一哉)

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