ニッシン/NK商事 2期連続増収も資金調達失敗響く

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 ▼ニッシン ニッシンは10月10日、事業を停止し、大阪地裁堺支部への破産申請を弁護士に一任した。

 同社は1904年に創業したカーペット製造卸を主体とする老舗。有名ホテルや施設への納入実績は豊富で、「光彩」「AXTILE」といった自社ブランド製品を展開し、1980年3月期にはピークとなる50億1030万円の売上高を計上。実績と合わせて、一部製品はテレビ番組で紹介されるなど知名度も高かった。

 しかし、その後は競争激化による市況の悪化で売り上げは落ち込み、業容の縮小とともに利益も低迷した。過去の不動産投資による資金負担も重く資金繰りは厳しさを増していた。

 不動産の売却を進めて債務の圧縮を図ったが、抜本的な解決には至らず、今年1月にはノンバンクから資金調達を行うなど借入金への依存度はさらに高まっていた。2017年3月期は外国人観光客の増加によるホテル業界の新築・改装需要を取り込み、8億3739万円の売上高を計上した。だが、経費負担の増加を吸収できずに赤字となり、資金繰りはさらに逼迫(ひっぱく)。業況改善の見通しが立たず、事業継続を断念し今回の措置となった。

 ▼NK商事 NK商事(旧野海)と、関連のTM企画は10月6日、岡山地裁から破産開始の決定を受けた。

 NK商事は1963年に創業し、野海として設立。学生衣料を販売していたが、99年頃から付加価値の高い紳士コートの販売にシフトした。全国の百貨店に販路を構築し、2011年6月期には7億円の売上高を計上した。

 TM企画は製造部門を担当する子会社で玉野縫製として設立し、11年6月期の売上高約8億2000万円を計上していた。

 カシミヤなどの高価格帯のコートから低価格帯の綿コートやダウンコートへの需要変化などで売り上げが低迷し、業績が悪化。債務超過に陥り資金繰りの維持が困難となっていた。今年5月、会社分割により野海を新設。NK商事の事業、TM企画の製造事業を新会社が承継し、2社は事業を停止していた。

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【会社概要】ニッシン

 ▽本社=大阪府富田林市

 ▽設立=1951年4月

 ▽資本金=5000万円

 ▽負債額=10億3401万円

 (2017年3月期決算時点)

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【会社概要】NK商事

 ▽本社=岡山県倉敷市

 ▽設立=1967年7月

 ▽資本金=1000万円

 ▽負債額=約52億円

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 〈チェックポイント〉

 ニッシンは訪日客の増加を背景にホテルの新設・改装需要で2期連続の増収だった。しかし、もともと利益率が低かったところ、固定費の負担増による採算悪化で資金繰りが苦しくなった。売り上げが伸びれば同時に資金需要も増す。いざというとき、取引銀行からの資金調達ができなかった点が経営の分かれ目となった。

 NK商事は学生服の街、岡山県倉敷市で創業した。少子化を見据え学生服から撤退し、高級紳士コートに活路を見いだしたが、デフレ下で売り上げは伸び悩んだ。旧会社の債務を整理し、事業は新会社に譲渡。学生服の時代から培ってきた技術や営業基盤をどう生かすか、今後の再起に注目が集まる。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)

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