西京味噌、新技術で食肉加工分野開拓 味付け簡単 微粒仕立て白みそ

 
プレスセミナーで新製品をアピールする西京味噌の本田純也専務=東京・代官山

 西京味噌は、豚肉の西京漬け向けなどに使える新製品「西京白みそ 微粒仕立」を開発、業務用として本格販売を始めた。主原料の米麹や大豆片の粒子径を従来の10分の1以下にし、多数の注射針で肉類に調味液を注入する「インジェクター」と呼ばれる装置に使えるようにした。同社は新製品の発売を機に食肉加工分野を開拓したい考えだ。白みその微粒子化には新たな工程が必要となるが、価格の上昇幅は従来比1割程度に抑えた。今後、国内外で販路を広げ、年間1億円程度の売り上げを見込む。

 白みそは、大豆とその倍量程度の米麹を主原料とし、塩分は赤みその半分の5%程度、甘さと芳醇(ほうじゅん)な香りを持ち、みそ汁や白身魚を漬けこんだ西京漬けなどに使用されることが多い。関西を中心に底堅い需要があるものの、最近は食の多様化や少子高齢化の影響で国内のみそ需要そのものが低迷していることもあり、新たな市場の開拓が急務となっていた。

 同社では、コストや味覚の点から豚肉の西京漬けが有望とみて、食肉加工業者に白みその利用を働き掛けてきた。ただ、単純な漬け方ではみそが豚肉と同量程度必要となるほか、熟成に2日以上かかり、出荷前には肉表面から余分なみそを除去したり、残渣の廃棄処理が必要となるなど、煩雑な工程もネックとなっていた。

 光明となったのは、インジェクター装置の活用。インジェクターは簡単に味付け肉を作る技術として普及し始めている。みその利用については当初、粒子が大きく目詰まりの原因になるなどとして加工業者から敬遠されていた。同社で試行錯誤を繰り返した結果、高圧でみそを漉す新しい破砕技術を確立し、今回の微粒子化に成功した。

 通常、白みそを水に溶かすと粒子が底に沈みすぐに分離してしまうが、新技術で製造したものは3時間以上も懸濁したままで調味液として使用しやすく、インジェクターの目詰まりを起こすこともない。従来の3分の1以下の白みそで豚肉の西京漬けを製造可能で、熟成期間も半減、出荷前のみその除去や残渣処理も不要になるという。

 同社の本田純也専務は「インジェクター用の白みそが普及すれば、人手不足や材料費の高騰など顧客企業の負担も軽減する」とし、市場開拓に期待を寄せる。今後も新メニューの提案などを積極的に行いながら需要開拓を目指す。同社は創業から187年の老舗で、今回の新製品でも基本的な製法やレシピは従来のものを踏襲した。本田専務は「伝統部分は残しながら新たな技術開発で市場を開拓する進化する“老舗”の姿を示したい」と語った。

【会社概要】西京味噌

 ▽本社=京都市上京区室町通一条上ル小島町540

 ▽創業=1830年

 ▽設立=1984年

 ▽資本金=1000万円

 ▽従業員=91人(関係会社含む)

 ▽事業内容=みそ製造販売

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