AIで手書き文字を高精度認識 キヤノンMJ「OCRソリューション」提供開始

 
手書き帳票の入力。2人での作業が、1人で対応できるようになる

 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)はベンチャー企業と協業し、「手書きAI(人工知能)OCR(光学的文字認識)ソリューション」の提供を11月から開始する。活字と同様に手書き文字も高精度で認識できるため、業務の効率化につながるのが特徴だ。マイナス金利の長期化などで金融機関の経営環境が厳しくなる中、最先端技術の導入による業務量の削減が喫緊の課題となっている。このため、銀行や保険会社などに向けて売り込みを図る。

 協業先は、最先端のAIの研究開発に取り組むCogent Labs(コージェントラボ、東京都渋谷区)。同社のAIを活用した手書き文字デジタル化サービス「Tegaki」と、キヤノンの画像処理技術によるOCR開発キットを連携させていく。

 日本は文書処理に占める紙の割合が諸外国に比べて多い。必然的に転記といった付帯作業に一定の時間を割く必要があり、この領域を簡略化し、生産性向上につなげることが、喫緊の課題となっている。しかし、手書き文字は筆跡が千差万別であるほか、けい線や背景色などがノイズとなってOCRの認識率が低い。処理には紙を見ながらの入力が必要となり、業務の効率化は難しかった。

 ソリューションではキヤノンの画像補正や文字認識技術によって前処理を行い、読み取りやすい画像を作成した上でTegakiを活用。自動認識が難しい手書き文字を迅速な形で高精度にデータ化し、必要な情報を抽出する。

 例えば中堅の銀行の場合、口座振り替えだけで1カ月当たり2万枚、メガバンクでは40万枚もの帳票が発生するという。処理を行うためデータ入力を行う要員を確保する必要があるが、行員の高齢化といった問題に直面している。今回のソリューションを活用すればキーパンチャーの数を半分以下に抑制できるようになり、業務の効率化や働き方改革を支援する。

 金融業界ではロボット技術やAIの活用を通じ、事務作業の自動化に乗り出す動きが相次いでいる。

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