ソニーの新アイボは「復権の象徴」 凋落から一転、再び成長軌道へ

 
「ソニー新商品発表会」新商品のaibo=1日午後、東京都港区(宮川浩和撮影)

 一世を風靡(ふうび)した旧アイボの撤退から約12年。アイボの復活が決まったのは、ソニーにとって「機が熟した」(川西泉執行役員)ことが背景にある。

 ソニーはエレクトロニクス事業の不調など経営不振にあえぎ、「VAIO」ブランドのパソコン事業売却など人員削減も含めて構造改革に大なたを振るってきた。

 だが、ここに来て潮目が変わった。10月31日の決算発表では2018年3月期の連結営業利益の予想を前期比2.2倍の6300億円に上方修正。「20年ぶりの過去最高業績になる」(吉田憲一郎副社長)など再び成長軌道に入る見通しだ。

 1999年誕生の旧アイボはその愛くるしいしぐさなどでファンをとりこにし、累計販売台数は約15万台を数えた。その人気とは裏腹に、業績不振などを理由に2006年に生産は打ち切りになった。このためアイボの撤退はソニー“凋落(ちょうらく)の象徴”として語られることが多かった。

 今回の新アイボの登場を業績の回復と重ね合わせてみれば、家庭用ロボット事業への再参入は、ソニー復権に向けたシグナルともいえる。

 かつてのソニーはヘッドホンステレオ「ウォークマン」やゲーム機「プレイステーション」など発想豊かで、先進的かつ革新的というイメージを体現する企業だった。だがその立ち位置は「iPhone(アイフォーン)」でスマートフォン市場を創出した米アップルに取って代わられて久しい。

 家庭用ロボットでは、シャープが音楽に合わせて踊るロボット型携帯電話「ロボホン」を投入。ソフトバンクのヒト型ロボット「ペッパー」は店舗での接客をこなしている。いずれも主要なテクノロジーに人工知能(AI)とセンサー技術を用い、同じ技術を使うアイボの事業環境は決して甘くない。

 アイボは「感動をもたらす」(平井一夫社長)商品として、再び消費者の心をつかむことができるのか。その成否はソニーの将来を暗示することになるかもしれない。(柳原一哉)

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