富士通、PC子会社をレノボに売却ブランド維持へ

 
レノボ幹部(左)と握手する富士通の田中達也社長=2日午後、東京都港区

 富士通は2日、パソコン事業を手がける子会社を中国の聯想(レノボ)グループに売却し、合弁会社化することで合意したと発表した。富士通は米HPと世界市場で首位争いをする大手のレノボと組むことでコスト競争力を高める。富士通ブランドの存続を図るほか島根県出雲市の製造拠点も引き続き活用し、雇用も維持する。

 売却する子会社は富士通クライアントコンピューティング(川崎市)。富士通が子会社株の51%をレノボに、5%を日本政策投資銀行にそれぞれ譲渡する。譲渡額は計280億円。手続きは平成30年4~6月に行う。富士通は昨年10月、「戦略提携」としてレノボと交渉に入り、今春にもまとめる方針だったが、交渉が長引いていた。

 2日、都内で会見した富士通の田中達也社長は「レノボの部材調達力やスケールメリットを生かし魅力的なサービスを提供していく」と述べた。レノボ側は富士通の国内工場の閉鎖について「一切ない」と明言した。

 かつての国内パソコン市場は富士通とNECの2強をはじめ国内電機大手の大半が参入していた。だが、価格競争力に勝る中台メーカーなど海外勢との競争が激化。市場の成熟化も進み各社とも苦境に陥った。

 NECとレノボは23年、パソコン事業を統合。ソニーは26年にパソコン事業を「VAIO」(バイオ、長野県)として独立させた。日立製作所も19年に一般向けパソコン事業から撤退している。

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