粉飾決算・担保権設定で信用低下 ラポール/岩崎建商

ハザードマップ

 ▼ラポール ラポールは10月20日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。

 同社はインテリアフラワー用品の販売を主体に展開。自社ブランド「RAPPORT(ラポール)」のほか、ヨーロッパのインテリア雑貨ブランド「sia(シア)」の日本総代理店として、主に有名百貨店内に店舗を構え、2016年10月には計65店舗を運営していた。インテリアフラワーや花器、ボトルフラワーなどを販売し、16年10月期の売上高は約13億5000万円だった。

 しかし、17年1月29日に国税庁より百貨店への売掛債権に対する差押命令の執行を受けたことに端を発し、その後も一部債権者からの債権差し押さえ命令の執行、百貨店に対する債権譲渡通知の発送、在庫商品に対する譲渡担保権の実行通知などを受け、売掛金の入金が滞った。

 また、前社長による粉飾決算や担保権設定といった独断専行などに起因して信用が一気に低下した。支払いが滞った債権者から東京地裁に破産を申し立てられ、その後に前社長との連絡が取れなくなり、前社長を解任。新経営陣のもとで再建を図るため、今回の措置となった。

 ▼岩崎建商 岩崎建商は10月13日、横浜地裁から破産開始決定を受けた。

 1924年に創業した住宅設備機器の販売業者。長年にわたり地域密着型営業を展開し、地元の建設業者や二次問屋などを顧客に91年12月期にはピークとなる売上高40億8399万円を計上した。だが、その後は同業他社との競争激化などに伴い減収で推移。事業所の閉鎖や関連会社の活動休止、本社不動産の売却など、各種リストラを実施したものの抜本的な改善には至らず、不安定な業績推移が続いていた。

 2010年12月期には売上高が10億円を割り込み、16年12月期の売上高は6億9818万円に減少。以降も業績不振から抜け出せず、代表者の健康状態悪化や後継者難を抱えていたことから、今年10月に県外同業者へ営業譲渡したうえで、今回の措置となった。

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【会社概要】ラポール

 ▽本社=東京都港区

 ▽設立=1993年2月

 ▽資本金=1億7137万5000円

 ▽負債額=約23億3000万円

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【会社概要】岩崎建商

 ▽本社=横浜市保土ヶ谷区

 ▽設立=1952年7月

 ▽資本金=7200万円

 ▽負債額=3億9627万円(2016年12月期決算時点)

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 〈チェックポイント〉

 ラポールは一時、上場も視野に入れていたが、税金滞納や未払いが相次ぎ、揚げ句に前代表が経営放棄して機能不全に陥った。債権者説明会では粉飾決算、不明瞭な資金流出も取り沙汰されたほか、現経営陣の就任経緯にも疑問が残る。放漫経営の破綻に対し、再生への理解は得られるのか。債権者の目は厳しい。

 岩崎建商は後継者問題を抱え、会社清算と事業譲渡に踏み切った。高齢化社会は企業経営の現場でも深刻な問題。M&A(企業の合併・買収)が市民権を得て事業承継の選択肢は増えたが、余力のあるうちの決断が成否のポイントといえる。跡継ぎや社員らにどうバトンを渡すか。経営者には最後に難しいかじ取りが待ち受けている。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)

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