アドメテックの医療機器がウクライナで認可 海外展開加速

 
ウクライナから認可を取得した、熱でがんを治療する医療機器

 ■加熱針でがん細胞死滅

 愛媛大学発ベンチャーのアドメテックが開発した、加熱した針を使ってがん細胞を死滅させる機器が、このほどウクライナの公的医療認証機関から医療機器として認可された。これまで同機器は動物のがん治療に用途が限定されていたが、ウクライナ国内では人間に適用できるようになった。同機器は導入コストを抑えられるのが特徴で、同社はウクライナでの販売を皮切りに、新たながん治療法として当面、欧州や東南アジアでの普及を目指す。

 同機器は、がん細胞が熱に弱い性質を利用し、熱をゆっくり患部に浸透させてがんを治療する。ヒーターで40~90度の熱を保持した特殊な針を、がん患部に刺して熱によってがん細胞を死滅させる仕組み。

 同社によると、この治療法は局所麻酔で行うため、患者への負担が少なく、日本で行った臨床研究では日帰り退院する患者もいるという。がんの大きさや進行度合いによって、単体での治療と、免疫療法や抗体医薬などとの併用の2通りの使い方を想定している。

 ヒーターと加熱針の販売価格は、500万円以下と他の医療機器よりもコストが安い。治療コストも針1本当たり日本円で15万~20万円で済むという。

 ウクライナでの認証は9月末に取得した。医療機器などを販売する現地企業AKPと代理店契約を締結し、まず11月に同国の国立がんセンター傘下の病院にヒーター5台、針100本を納入、ウクライナ国内で販路を徐々に広げる。国立がんセンターでの治療データはアドメテックにフィードバックされ、さまざまながんの状況、パターンに応じた針、ヒーターの開発に生かされる。

 年内にウクライナの隣国、ベラルーシ、2年以内にバルト三国の一国でEU(欧州連合)加盟国のエストニアでの認証取得を目指す。エストニアでの認可は、EUで販売基準に適合したことを示す「CEマーク」と呼ばれるもので、認可を取得すれば、EUや多くの東南アジアの国々での販売が可能になる。同社は海外展開にあたってはジョイントベンチャーの設立を視野に入れており、ゆくゆくは米国、日本での認可取得を目指す。

 アドメテックは2003年、「新事業創出促進法」による愛媛大学発ベンチャー企業として発足。13年に東京証券取引所のプロ投資家向け市場「東京プロマーケット」に上場した。

【会社概要】アドメテック

 ▽本社=松山市空港通1-8-16

 ▽設立=2003年9月

 ▽資本金=1億8147万円

 ▽事業内容=医療機器などの研究開発、販売

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