業績上方修正のトヨタ 主力の北米は苦戦続く EV対応は新会社がカギ

 
2018年3月期の連結業績予想などについて説明するトヨタの永田理副社長(右)=7日午後、東京都文京区

 平成30年3月期の通期業績予想を上方修正し、2年連続の減益を回避できる見通しとなったトヨタ自動車。ただ、主因は為替の変動という“他力”で、主力の北米では苦戦が続く。一方で、マツダ、デンソーと開発会社を設立した「EV(電気自動車)連合」には、SUBARU(スバル)やスズキも参加する方向で調整。経営陣は足元の難題を解決に向けて進めながら、EVなど将来への布石を打つという難しいかじ取りを迫られている。

 「実力としては減益。まだまだチャレンジの状況が続く」。7日の決算会見でトヨタの永田理副社長は、通期業績予想について厳しい表情でこう話した。営業利益は上方修正により前年比で微増となるが、為替の影響などを除けば、実質的には前年を1850億円下回る減益になるという。

 トヨタの主戦場である北米では、「インセンティブ」と言われる販売奨励金による値引き競争が激しさを増しており、経費増と販売減につながっている。永田氏は「米国の主力車である『カムリ』の新型車で、インセンティブを抑制できる。売れ筋の『RAV4』や『ハイランダー』の生産能力も増強したい」と巻き返しに意欲を示した。

 一方、各国の環境規制で避けられないEVへの対応には、9月に設立した新会社がカギとなりそうだ。EVの基本的な構造などを研究開発する新会社にはスバルが10月から技術者を派遣、スズキの鈴木俊宏社長も今月、「参加を前向きに検討したい」と表明した。

 販売競争を繰り広げる同業同士の協調には不安もある。それでも、トヨタの村上晃彦専務役員は各社の参加意向を歓迎し、「同じ志を持つ会社と切磋琢磨(せっさたくま)して補い合う」と意義を強調した。(高橋寛次)

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