「たべっ子どうぶつ」なぜ英語教育に注力? ビスケットにキリンとワニが含まれない理由も聞いてみた

 
ギンビスの「たべっ子どうぶつ」バター味

 先日、久しぶりにギンビスの「たべっ子どうぶつ」を食べた。可愛らしい動物のイラストが描かれたピンク色のパッケージでおなじみの、同社を代表するロングセラーのビスケットだ。動物をかたどった菓子の表面に「LION」など英語名が印字してあるのが特徴で、箱には英会話のコーナーも設けている。一つ、また一つと菓子を頬張りながらパッケージを眺めているうちに、「なぜ子どもの英語教育に力を入れているのだろう」「そもそも動物がモチーフのビスケットを作ろうと思ったきっかけは…」といった疑問がわいてきた。さらによく調べてみたところ、実はパッケージに登場するキリンやワニはビスケットには含まれていないという“衝撃の事実”も発見。これらの理由を明らかにするため、開発に至った背景など広報担当者に尋ねてみた。(SankeiBiz 大竹信生)

 たべっ子どうぶつは約40年前に販売開始されたギンビスの人気ビスケット菓子。筆者が食べたのはこの菓子の原点である箱入りのバター味だが、現在では「チョコ」や「おやさい」など様々な派生商品を展開している。パッケージカラーも味のイメージに合わせて茶色や緑色など多種多彩で、6袋入りのファミリーパックや小分けした5連パックなどパッケージングの種類も増えている。

 バター味には計46種類の動物が入っており、ヒツジはSHEEP(シープ)、キツネならFOX(フォックス)のようにそれぞれの動物の英語名がアルファベットで印字されている。パッケージの背面には全46種の動物の英語名一覧を表示。英会話レッスンのコーナーでは「What are you doing? ホワット アー ユー ドゥーイング(何をしているの?)」などカタカナによる発音ガイドと和訳も併記し、寸劇のイラストに動物を擬人化したキャラクターを用いることで子どもの興味を引く工夫もされている。

 パッケージを見ながら食べていたら、表のイラストに描かれているワニとキリンが裏面の動物名一覧にいないことに気付いた。ということは、この2匹はビスケットに含まれていないということだ。それに気付いたきっかけは、「ワニは『クロコダイル』と『アリゲーター』のどちらで記しているのだろうか」という素朴な疑問からだった。なぜパッケージの主要キャストに選ばれた2匹がビスケットにならなかったのか-。そもそも、動物をモチーフにした菓子を作ろうと思ったきっかけや、英語教育に注力する理由が知りたくなってきた。さっそく、ギンビスの広報担当者に聞いてみた。

--たべっ子どうぶつを思いついたきっかけは何ですか?

 ギンビス広報担当者「創業者(宮本芳郎氏)が動物好きだったことが開発のヒントになったのではないかと言われています。過去にクマ、イヌやブタ、金魚などを飼っていたと聞いております」

--英単語を印字したビスケット菓子を作ろうと思った理由は何ですか? 英会話レッスンも含め、英語教育に力を入れる理由を教えてください。

 「子どもから大人まで楽しめる、シンプルな味わいの薄焼きビスケットを提供したいとの思いから生まれました。創業者は元々海外に関心があり、また創業以来の経営理念である【International(国際性)】【Independent(独創性)】【Instructive(教育性)】の3点を具現化したものがたべっ子どうぶつになったと言われています。(ギンビスの前身の)『銀座ベーカリー』の1945年創業当時は(米軍兵などが多かった)戦後ということで、外国語を話す機会が多かったことが影響されているのではと言われております」

--これまでに消費者からどのような反応がありましたか?

 「1978年発売当時、箱タイプのビスケットの価格は200円が主流でしたが、たべっ子どうぶつは100円でボリュームがありました。ただ、当時は珍しかったショッキングピンクをパッケージのメインカラーにしたことで(奇をてらっているとされ、消費者に受け入れてもらうまでの)発売1~2年は苦戦を強いられました。しかし、口コミ等で徐々に評判が広がっていくようになり、現在では多くのお客さまにご支持いただける商品になりました」

--動物はどういう基準で選んだのですか?

 「形の分かりやすさ、メジャーな動物、生産性を考慮し選定しました」

--パッケージに描かれているキリンとワニが、実際はビスケットとして入っていないのはなぜですか?

 「形の分かりやすさと、キリンの長い首やワニのしっぽは折れやすいといった生産上の都合を考慮したためです」

 ちなみにこれまでビスケットに追加した動物や消えた動物、エリマキトカゲやウーパールーパー、レッサーパンダなど、その時代のブームを反映する動物が登場したことはないそうだ。

 たべっ子どうぶつは近年、味のレパートリーを増やしたり吊り下げ商品を投入するなどラインアップを強化し、店頭での露出も増やすといったタテヨコ展開が奏功。着実にリピーターを育てることで売り上げを伸ばしているという。いろんな味を試してみようとスナック「うすしお味」なども食べてみたが、どれも病みつきになる美味しさ。「確かに一度食べたらまた買いたくなるかもなあ」と納得してしまった。筆者は一応、TOEIC900点台で少しは英語に自信があるつもりなのだが、それでも「PORCUPINE(やまあらし)」など初めて見る英単語もあり、とても勉強になった。たべっ子どうぶつはこれから先も、創業者の願い通りに「子どもから大人まで楽しく学べるビスケット」として老若男女から愛され続けていくのだろう。

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