朝日信用金庫小石川支店の寺島信之支店長(1)

フロントランナー 地域金融

 ■金利競争避け課題解決型の融資注力

 「営業に奇手奇策なしと言われるように、支店運営にも奇手奇策なし。凡事徹底の意識で取り組んできました」

 こう話すのは朝日信用金庫小石川支店の寺島信之支店長だ。小石川支店は2016年度下半期の業績評価で、法人融資や預かり資産といった営業分野のほか、外部機関によるCS(顧客満足度)調査といった分野まで総合的に評価され、優績店表彰を受けた。

 小石川支店が立地するのは東京都文京区春日。営業エリアには30に迫る金融機関の支店がある金融激戦区だ。

 小石川支店は、02年に朝日信用金庫が合併する以前の旧文京信用金庫の本店。歴史ある店舗だけに古くからの顧客は多いが、既存取引の維持だけでは業容を拡大できない。一方で、やみくもな融資提案では金利競争に陥ってしまう。そこで、融資戦略上注力しているのが、課題解決型融資だ。事業の内容や将来性に着目した事業性評価融資の推進もこの一環。これを実践することで貸出金と金利の両面で実績を上げてきた。

 ある印刷業には、複数の金融機関にまたがる借入金の整理を提案した。この会社は、毎月の支払い利息を払えなくなり他の金融機関から借り入れ、それでも返し切れずにさらに借り、結果的に返済額が膨らむ悪循環に陥っていた。寺島支店長が相談を受けた当初の借入金は1億4300万円を超えていた。

 ただ、寺島支店長は「業況が厳しい印刷業でもしっかりと稼いでいて、事業の先行きが期待できる」と判断した。印刷事業から派生した倉庫業など、付加価値のあるサービスを提供して高い粗利を稼いでいたためだ。

 支援にあたり小石川支店は、他行の借入金の返済原資を含む3億1000万円の融資を実行、同社は借り入れを一本化することで支払い利息を減額できた。寺島支店長は、初期段階で本部と支援の方針をすり合わせて大まかな改善方法を同社に提案し、ある程度の道筋が付いた段階で役席に任せ、現場とノウハウの共有を図った。

                   ◇

 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp

Read more