無資格検査 日産、国交省に虚偽説明か 偽装隠蔽の可能性

 
記者会見する石井国交相=7日、国交省

 石井啓一国土交通相は7日の閣議後の記者会見で、新車の無資格検査をしていた日産自動車を9月に立ち入り検査した際、日産側に不適切な対応があったと明らかにした。最終検査の実態に関して一部の従業員が、国交省の担当者に虚偽とも取れる説明をしていた。正規検査員がはんこを無資格者に渡し、検査記録書に押印させてきた偽装行為を隠蔽(いんぺい)しようとした可能性がある。

 日産は7日、検査体制を改善し、停止していた国内向けの車両の生産と出荷を追浜工場(神奈川県横須賀市)など5工場で半月ぶりに再開したが、法令を軽視してきた日産の企業風土には批判が高まっており、顧客からの信頼を取り戻すのは容易ではない。

 石井氏は、一連の不正をめぐり刑事告発に踏み切るかについては「しかるべき事実が認められた場合は厳正に対処する」とし、教育面の不正は「完成検査員の育成プロセスをないがしろにする極めて不適切な事案だ」と批判した。

 日産は無資格検査が常態化していた背景について、会社としての法令への理解不足や順守意識の欠如が一因と分析していることも7日判明した。近く国交省に提出する報告書に盛り込み、再発防止に生かす考えだ。

 報告書では、従業員の規範意識の低さに加え、新車を出荷する前の最終検査工程と、他の検査工程が混在した工場の設計にも問題があったとの分析を盛り込む。監査体制が甘く、外部の目が届きにくかったことも不正が長年続いた背景にあるとも指摘する見込みだ。

 生産と出荷を再開したのは他に栃木工場(栃木県上三川町)、日産自動車九州(福岡県苅田町)、日産車体湘南工場(神奈川県平塚市)、日産車体九州(苅田町)。残るオートワークス京都(京都府宇治市)も国交省から検査体制が改善されたと判断されれば、生産を再開する。資格を持つ正規検査員が確実に最終検査に当たる体制とするため、当面は生産ペースが大幅に減る見込みだ。

 日産は一連の不正を踏まえて10月19日に車を完成させる国内の全6工場で国内向けの出荷を停止すると発表した。

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