朝日信用金庫小石川支店の寺島信之支店長(2)

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朝日信用金庫小石川支店

 ■「サービス業」の精神で取引拡大

 朝日信用金庫小石川支店が取り組んでいる課題解決型融資には旅館業の事例もある。

 明治時代から続く老舗旅館だが、東日本大震災の影響で多額の借入金を抱え、その負担にあえいでいた。

 寺島信之支店長が相談を受けた当時の借入金は3億8800万円。返済が滞ったために遅延損害金が発生し、支払い利息が3億円を超えるほどに膨らんでいた。金融機関の債権管理上は破綻先に近い扱いで、新規の融資を受けられない状況だった。

 「借り入れを完済するめどが見えない状況でした。ただ、毎月、一定のキャッシュフローはきちんと確保しており、社長と話を詰める中で、足元の支払い負担を軽減すれば再生できると考えたのです」

 寺島支店長は本部と協議して支援を決定、元金・利息を一括返済するための資金を融資。同社は、既存の取引金融機関に元金・利息を一括で返済することで、遅延損害金を減免された。結果的に支払い利息を大幅に減らすことができたうえ、債権管理上は正常債権になったので、新規の融資も受けられるようになった。

 小石川支店が同社から深く感謝され、関係が密接になったことは言うまでもない。大口融資の確保に加え、年2%強の金利、さらに法人預金を獲得することもできた。

 融資を受けた後、借入金の負担が軽減され、新たな設備投資を検討するようになった同社は、震災で損傷して手つかずだった外壁の修繕に乗り出した。この際に、小石川支店は地元の有力建設業者を紹介。マッチングが成立し、修繕費用に必要な資金の融資を獲得した。

 寺島支店長が「金融機関はサービス業」と考えるとおり、顧客のために課題の解決に尽力することで、取引の拡大に貢献している。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp

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