丹青社、音声ガイドで街を博物館に 埼玉・川越で実証実験

 
蔵造りの街並み。この中でスマートフォンによって建造物の解説を聞くことができる=埼玉県川越市

 丹青社は埼玉県川越市で、音声ガイドツアーの実証実験に着手した。ダウンロードした音声解説を聞きながら、人気スポットである蔵造りの街並みを見学できるのが特徴。同市には年間700万人の観光客が訪れるといわれる。滞留時間を延ばす仕掛けにより、ブームに左右されにくい真の川越ファンづくりにつなげる。

 松竹グループで、歌舞伎座や伝統芸能の舞台を中心に音声ガイド事業を行うイヤホンガイド(東京都中央区)と共同で事業を展開する。丹青社は博物館展示などの業務に携わっており、そのノウハウを生かし、建物を展示物と見立て、街を“ミュージアム”として楽しめるようにした。

 実証実験は2018年の1月まで、木曜日から日曜日と祝日に実施する。最初に埼玉りそな銀行川越支店の敷地内で音声アプリとコンテンツを500円でダウンロード。「時の鐘」や「菓子屋横丁」など、約30カ所の建造物や名所を実際に目の当たりにしながら、聞きたいスポットの番号をスマートフォンに入力すると、トピックやストーリーを聞くことができる。音声解説は1カ所当たり1、2分。日本語と英語で対応する。

 川越市には国内の観光客だけでなく、多くの外国人が訪れている。ただ、都心部から比較的近い場所にあるので宿泊を伴わないケースが多い。欧米の観光客は長期間にわたって滞在する傾向が強いため、今回の取り組みによって川越の魅力を深く訴求し、宿泊をはじめ観光消費の押し上げにつなげていく。

 丹青社は今後、同様のサービスを全国に広げていく方針。候補地は伝統的建築物保存地区が中心となるが、自然に恵まれたエリアも対象とする見通し。

 企画開発センター企画開発3部の南夏樹・開発プロデューサーは「博物館などが持つ知識資源と、博物館展示で培った伝える力の掛け合わせで、魅力ある観光コンテンツ情報を作り出せる。表面的な流行に終わらない地に足の付いた観光地づくりを目指す」と話している。

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