ブロードコム、敵対的買収も クアルコムに委任状争奪戦検討

提供:ブルームバーグ
米カリフォルニア州アーバインにあるブロードコムの本社(ブルームバーグ)

 米半導体大手ブロードコムが1050億ドル(約11兆9560億円)で買収を提案した同業大手のクアルコムが提案を拒否した場合、委任状争奪戦に持ち込み株主に直接訴えかけることを検討していることが、7日までに分かった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

 ブロードコムは6日、携帯端末向け半導体供給で最大手の一角に食い込もうと、クアルコムに現金と株式合わせ1株70ドルで買収を提案。実現すれば、エレクトロニクス業界で過去最大の買収となる。

 クアルコムは同案を精査しているものの、ブロードコムの条件を拒否する方向に傾いている。関係者によると、ブロードコムは、長期にわたり痛みを伴う敵対的買収に乗り出すことも辞さない考えだという。

 ブロードコムが携帯電話用半導体メーカー最大手のクアルコムに提示した買収条件は、ブルームバーグが最初にこの買収計画を報じる前の11月2日の終値に28%のプレミアムを付けた水準。買収提案の規模は250億ドルの純債務を含めると約1300億ドルと評価され、実現すれば今年これまでで最大の規模となる。

 ブロードコムのタン最高経営責任者(CEO)は買収提案公表後初のインタビューで「当社は非常に説得力のある提案を行い、統合の強い根拠を示した。全ての利害関係者、特に株主にとって利にかなっており、極めて友好的な提案だと思う」と語った。

 クアルコム買収が実現すれば、半導体業界の勢力図を塗り替えることになり、ブロードコムはインテルと韓国サムスン電子に次いで業界3位に浮上する。また、2015年当時に過去最大だったデルによる670億ドルでのEMC買収を上回る規模となる。

 カナコードのアナリスト、マイク・ウォークリー氏は「両社の組み合わせは大きな相乗効果をもたらすとともに支配的なワイヤレス事業を生み出す。世界の半導体業界で総合的に強力なリーダーが誕生する」と指摘した。

 関係者によると、クアルコムは自社を過小評価しているとして一方的な買収提案を拒否する構えで、株主に拒否するよう勧告する可能性が高い。クアルコムは6日の発表文で「株主に最高の利益になる行動を追求するため提案を精査する」との方針を示した。(ブルームバーグ Ian King)

Read more