日本で運用受託2兆円目標 英最大手、GPIFなど年金に的

提供:ブルームバーグ
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)本部入り口のロゴ=東京都港区(ブルームバーグ)

 日本で営業開始した英最大の資産運用会社リーガル・アンド・ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)は2020年までに、受託残高2兆円以上を目指す計画だ。グローバル債券や株式のほかマルチアセット、不動産などの商品を提供。国債中心だった運用資産の多角化を進める年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など有力な年金基金からの受託を考えている。

 課題は認知度

 高齢化の進む日本の年金市場は米国に次いで世界2位の規模がある。LGIMジャパンの石田成社長は「日本での商品展開も第一には債券。いろいろな国のクレジットを対象とした投資が中心だ。リスク管理ができるかどうかで差がつく」と述べた。LGIMの運用資産9570億ポンド(約140兆円)の内訳は、債券が約65%、株約30%、残り5%は不動産など。140兆円のうち100兆円が英国を中心にした年金からの受託となっている。

 コンサルティング会社ウィリス・タワーズワトソンの16年のランキングによると、同社は運用資産残高で世界16位。外資系運用会社の日本での登録は、06年のウェルズ・ファーゴ(旧:ワコビア)以来11年ぶり。これで世界の上位19社が日本に進出したことになる。

 石田氏は、世界最大の年金基金であるGPIFからの運用受託に向けて「いろいろなアセットを紹介させてもらう。なんとかビジネスとして成立すればいい」と述べた。GPIFをはじめ公的年金から運用機関として採用されるには随時、自社情報を登録する必要のある場合が多く、石田氏は「認知度を高めていかないといけない」と話す。

 マイナス金利下でGPIFはパフォーマンスの向上に向け国債偏重の資産配分を見直しており、6月末の運用資産構成は国内債が30%(前年は39%)に低下しているのに対し、外国債、外国株は計37%(同34%)に上昇。これに伴い運用手法の多角化に向けて、運用機関の選定に動いている。

 スピード登録

 LGIMは昨年11月に東京に駐在員事務所を設立。金融庁への手続きは3カ月程度と通常の半分程度で終わり、8月には投資運用業などの登録が完了した。海外からの金融業誘致を図る同庁は、同社のスピード登録について「年金基金など日本の投資家からの運用受託が見込まれ、拠点開設の蓋然(がいぜん)性が非常に高い」と説明している。

 東京都も6月に公表した国際金融都市構想骨子で、20年度までに運用業者やフィンテック系の外資40社の誘致目標を打ち出しており、今月には最終構想をまとめる予定だ。

 GPIF最高投資責任者(CIO)の水野弘道理事は9月、東京都の国際金融都市化を検討する懇談会で、将来ビジネスが見込まれる運用機関については「金融庁にプロセスを早めてほしいと伝えた」ことを明かし、具体例としてLGIMを挙げていた。未登録の運用会社の場合は登録済みの運用会社から再受託する形を取るため、手数料が二重にかさみ、コスト高につながる。

 石田氏によると、LGIMは15年に明治安田生命グループと商品販売で提携するなど、安倍政権の発足に伴い日本の顧客との接点を増やしてきたという。日本進出は本国の経営トップらが主導しており、「相対的に他のアジアと比べた場合、日本のストックは膨大であり、そこをしっかり押さえる必要がある」という考えだという。

 石田氏は第一生命保険とその傘下の資産運用会社で日本株クオンツ運用、アセット・アロケーションなどに従事。年金コンサルティングなどを経て、07年からマニュライフ・アセット・マネジメントの社長兼CIOを務めた。(ブルームバーグ Komaki Ito)

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