神鋼がデータ改竄で報告書 「背景に閉鎖性」 社長、経営責任明言せず

 
経済産業省の多田明弘製造産業局長(右)に報告書を提出した神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長=10日午後、東京・霞が関の経済産業省(酒巻俊介撮影)

 神戸製鋼所は10日、アルミニウム製品などのデータ不正問題に関し、原因と再発防止策をまとめた報告書を公表した。問題の原因は納期優先や収益重視の経営、閉鎖的な組織風土、契約の順守に対する意識の低下があったと結論付けた。再発防止策として、各事業所やグループ会社への監視機能強化を盛り込んだ。川崎博也会長兼社長は経済産業省を訪問して報告し、謝罪した。

 報告書では、本来はチェック機能を果たすべき品質保証の担当部署が不正に関与するなど、監視機能の不全が常態化していたと分析した。不正の大半を占めたアルミ・銅事業に関しては、十分な収益貢献を果たすことができず苦しんできた歴史的な背景があるとも指摘した。

 再発防止策として、試験データの入力で改ざんが起こらないよう人手を極力省き、機械化を推し進める。部門や事業所をまたぐ人事異動を行って閉鎖的な風土を改める。アルミ・銅事業部門や本社に品質管理を点検する新たな組織を設け、監査機能を強化する。

 経営陣による不正の黙認や関与については明確にしなかった。

 10月26日に設置した外部調査委員会が年内をめどに詳細な報告書を取りまとめる。川崎氏は東京都内で記者会見し、自身の経営責任について「しかるべき段階で判断する」と述べ、明言を避けた。

 経産省の多田明弘製造産業局長は川崎氏と面会し「信頼回復に向けたステップになる」と述べたが、最終的な全容把握は外部調査委員会の結果を待つ必要があるとくぎを刺した。

 経産省は10月12日に神戸製鋼に対し、1カ月以内に対策をまとめるよう求めていた。その後、子会社が手掛ける銅管で品質や安全性の基準である日本工業規格(JIS)認証が取り消されるなど新たな不正が発覚した。

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