「厳しすぎる社内規格」も不正の起源 経営責任「しかるべき時に」

神鋼記者会見・詳報(3)
データ改ざんの原因結果を発表する神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長=10日午後、東京都千代田区(宮川浩和撮影)

 神戸製鋼所の会見は、開始から1時間を超えて質疑応答が続く。顧客の要求を上回る厳しい社内規格を設けた結果、それをクリアしたかのように装うデータ改竄(かいざん)が行われた-。一連の不正行為が始まったきっかけの一つとして、そうした説明が行われた。

 --経営責任をどう考えているか

 川崎博也会長兼社長「本日提出した安全検証結果は、まだ(納入先)51社についてだ。100%の取引先から安全検証をいただける状況になっていない。それを最優先したい」

 「今後、12月をメドに外部調査委員会から提出される提言および報告書を元に、原因および対策をまとめたい。私のリーダーシップの下、短期間で終えたいと考えている。私の経営責任は、その後しかるべき時に判断したい」

 --さかのぼって最も古い不正の例は

 山本浩司常務執行役員「当社の人事異動スパンは3年から5年。5年以上超えると担当者が変わる、その中でも(不正が)続いていたので『長期間』とした。実際にいつから行われていたのかは、生データを残している期間が部門によってまちまちで、長いものでも10年程度。(さかのぼるのは)それが精いっぱいだ」

 --上司から不正行為の指示があったのか

 山本氏「個人の関与と複数の関与がある。複数というのは、色んな形態がある。現時点で確認されていることは、部署の中での指示が確認されているが、部長クラスの指示は確認されていない。外部の調査委員会が継続して調べる」

 --今回の報告書の中に「顧客規格よりさらに厳しい社内規格を設けていた」が、「一部の製品では、そもそも守れない規格として常態化していた」とある。守れなかったのは、生産設備の老朽化が原因か

 山本氏「アルミ・銅部門では、社内規格が出荷基準になっていた。本来なら顧客の基準を満たしていればいいのだが、顧客の基準が年々厳しくなっていくことを踏まえ、そうした基準としていた。実際の工程能力に照らした吟味がなされないままに、そうした状態が続いていた」

 「当初は『社内規格を満たさないが、顧客基準は満たしている製品』について、社内規格に関する検査データを改竄した。それが始まりになっていたのではないか、と思っている。経年劣化については、設備投資を適宜行っており、要因ではないと考えている」

 --社内規格が厳しいのをそもそも守れないというのは、事業部門ではなく全社的な問題ではないか

 山本氏「事業部門、工場ごとに基準値をとりあえず置いていたということだ。全社共通の数値ではない」

 川崎氏「製品ごと、工場ごとに社内規格を設定している。正確には『工場規格』と言ってもよい。われわれには全社共通の規格というのはない」

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