「収益出れば任せる」構造 問題相次ぐ歴史

神鋼記者会見・詳報(4)
データ改ざんの原因結果発表会見に臨む神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長=10日午後、東京都千代田区(宮川浩和撮影)

 データ改竄(かいざん)などの不正行為に関する社内調査の結果と再発防止策をめぐり、神戸製鋼所の経営陣と報道陣の質疑応答はさらに続く。収益とともに品質管理をも各部署に任せるという、事業部門制の“負の側面”について質問が集まった。

 --アルミ・銅部門では「4部署がそれぞれ事業責任を持っているため異動が難しく、人事が固定化して問題となった」そうだが、なぜ4部署それぞれが不正を働いたのか

 川崎博也会長兼社長 「真の原因は外部の報告を待たないといけないが、同じような製品であれば起こったかもしれない。4部署がそれぞれ違うものを作っているし、製造方法も異なる。お客さまも異なる。人事の固定化があいまったと考える」

 --人が固定化したら不正が起こる会社なのか

 川崎氏「(不正の多さで)アルミ・銅部門が突出している。工場の規模も相まって、人数が少ないという要因もあった」

 山本浩司常務執行役員「各工場に権限を委譲しながら品質管理を行い、人事も固定していた。教育面も含めて、経営管理ができていなかった」

 --費用負担や賠償の協議を進めている納入先はどのくらいあるか

 勝川四志彦常務執行役員「個別の事例は差し控える。数社との間では、安全検証にかかったコストなど具体的にお話を始めている。最終的に決まった状況ではない」

 --「数社」というのはひと桁か

 勝川氏「10社には満たない」

 --納入先それぞれで安全検証コストが発生している。現在協議中の数社を除く五百数十社にも支払わないといけない、という考えか

 「お客さまからそういう話があれば、真摯(しんし)に対応したい」

 --神戸製鋼所では、歴史的にみると色々な部門で問題が起きている。その都度、再発防止策をとってきたと思うが、それでも繰り返されたのはなぜか。今後の対策によって、全部門で不正がなくなるのか

 川崎氏「確かに神戸製鋼の歴史を見ると、商法違反、談合、などの事案が起こったのはその通り。ものづくりを生業とする会社であり、事業部門に品質、収益の両方の責任を負わせた。現場で起きた課題、悩み、困りごとなども『収益さえ出ていれば、あとは事業部門に任せる』といった経営構造になってしまっていた。経営上の課題があったと認識している」

 「本日の報告書では、すぐに打てる対策を示した。『工程能力を上げる』『検査を自動化する』『監査部門を作る』といった対策について、本日付で私を委員長とする品質ガバナンス再構築検討委員会を立ち上げた。従来のガバナンスに改善すべき項目がないのかということを考えたい。海外におけるガバナンスも今後行っていく。その上で、最終報告に向けた検討を短期間で行っていきたい」

■詳報(5)川崎社長「キーマンと話したい」 抜本的対策は最終報告書に に続く

■詳報(6完)JIS規格「必須か否か相談する」 に続く

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