デンソー、JOLEDに出資 500億円前後 車載用パネル開発加速

 

 自動車部品大手デンソーが、有機ELパネルを手掛けるJOLED(ジェイオーレッド)に対して500億円前後の出資を検討していることが25日、分かった。有機ELを使った次世代の車載用ディスプレーの開発を加速する狙いとみられる。

 JOLEDは約1000億円の第三者割当増資を計画しており、これまでに設立母体で株主のソニーとパナソニックの引き受けが固まった。住友化学とSCREENホールディングスも前向きに検討しており、4社の引受額は計200億~400億円になる見込みだ。デンソーの出資が決まれば最大の引受先となり、中型有機ELパネルの量産化に向けた資金確保におおむねめどが付く。

 有機ELパネルは韓国サムスン電子などが先行しており、JOLEDはコストの安い独自方式での開発を進めている。既に医療用モニター向けの中型パネルの出荷を開始した。

 増資で調達する約1000億円のうち3分の2を経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)の能美工場(石川県能美市)に投資して、中型パネルの生産規模を現在の10倍程度まで拡大。成長が期待される車載用パネルに用途を拡大する。JOLEDは75%を出資する官民ファンドの産業革新機構の子会社で、JDIが15%、ソニーとパナソニックがそれぞれ5%を出資している。