メガバンク、増資合戦第2幕 三井住友FGが異例の年度内2度目の大型増資

2010.1.6 20:10

 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は6日、年度内2度目となる8千億円規模の増資を発表した。昨年末に1兆円超の増資に踏み切った三菱UFJFGに次ぐ大型増資だ。金融機関に自己資本の充実を迫る国際的な規制強化を背景としたメガバンクの増資競争は、昨年に続いて第2ラウンドを迎えた。

 三井住友FGは6日、最大3億6千万の普通株発行による増資を正式に発表した。調達価格は5日の終値ベースで約8900億円に達する。昨年6~7月に行った総額8610億円の大型増資に続き、年度内2度の大型増資は異例。 

 三井住友FGは「増強した資本をアジア戦略や投資銀行部門など、成長分野に充てる」(同行幹部)と説明。一昨年秋の金融危機で自己資本が目減りする元凶となった取引先企業との「持ち合い株」を、現状の40%から25%に削減する方針も掲げた。

 邦銀を増資競争に駆り立てているのは「欧米や中国の銀行も資本増強に動いてくる。市場環境の好転を待つことも考えたが、国際的な資本増強の動きに出遅れるリスクの方が大きい」(同)との危機感だ。

 自己資本を充実させるには利益を積み重ねて内部留保を厚くする方法もある。だが、日本は低金利で、金融機関にとって利ざやが少ない収益環境だ。公募増資には「(利益積み上げにかかる)時間をお金で買うのも選択肢」(同行首脳)との思惑がある。

 次の焦点は、メガバンクの中で「自己資本で見劣りする」(アナリスト)と指摘されるみずほFGの出方だ。10日には次の増資を規制する期間が終了する。

 ただ、今回の新株発行で、三井住友FGの一株あたりの価値は約3割程度希薄化することになる。三井住友FGの株価は6日の終値で2800円と前回の公募増資額3928円を大きく下回り、既存株主の損失も無視できない。

 スタンダード・アンド・プアーズの吉田百合主席アナリストは「邦銀は収益性が低いという根本的な問題の解決が残ったままだ」と指摘。増資の先の成長戦略を示せなければ、市場の視線は厳しくなる一方だ。

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