2010.1.22 05:00
■外界の変化への対応力重要
技術的に傑出しているはずの日本の携帯電話が、世界市場においては競争力を有していない。長期間、外敵の侵入がなかったため淘汰(とうた)されず、独自に進化して固有種となっている現象が、ガラパゴス諸島に生息するイグアナなどに類似していることから、「ガラパゴス化」という言葉が流通している。最近では、非接触式ICカードや地上デジタル放送などの技術にも、同様の理由でこの表現が使われている。
◆世界では通用しない現実
経済のグローバル化が年々加速する中、日本が再度成長していくために、企業は必然的に世界を主戦場に戦うことを要求されるはずだ。にもかかわらず、技術力が優れていながら、世界で通用しないという現実は極めて重要な課題である。長らく外界から隔絶された環境下に置かれていたという「与件」に対して、日本はその特殊な環境に特化していく道を選んできた。外界にはあまり目を向けず、必死に先進的な技術を磨き、その結果「ガラパゴス化」に至ったというわけだ。
やみくもに「頑張る」ことを尊重する勤勉性を持ち、他国に先んじて数多くの優れた技術開発を実現している日本は、その証拠に多くのノーベル賞受賞者も輩出している。それなのに、開発した技術が世界標準と乖離(かいり)してしまうのは、外界の変化をどこか人ごとのようにとらえているからにほかならない。むしろ、そこにこそビジネスチャンスがあるはずなのに、と思う。“外来種”のヒット商品「iPhone」を例にとっても、開発段階で特に突出した技術が必要とされたわけではないと聞く。いかに市場で必要とされるものをうまく創り上げるかが、問われているのである。