2010.2.2 13:30
--平成23年に住友信託銀行との経営統合を控えての就任だ
「単に規模で大きくなるのではなく質的にも最高水準にしなくてはならない。個人向け分野では当社の方が規模が大きい一方、住友信託は国際業務を得意とする。例えば外注していた海外での資産管理業務を住友信託に委託すれば、大幅なコストカットが期待できる。できるところからお互いの強みを応用していく」
--最終的な合併までに2年と、時間がかかる
「本来統合は一斉に勢いよくやった方がいいが、国際会計基準の適用や米国証券取引委員会への登録など、手続きにどうしても時間がかかる。2年は必要期間。この間にそれぞれが、統合に向けて磨きをかける助走期間になる」
--その間にやるべきことは
「一番はお互いが統合の上での勝ち負けにこだわらず『新銀行のためには何が一番大事か』で、思いを一致させること。信託銀行は管理資産業務に多大なシステム投資が必要な装置産業でもあり、統合効果は大きい。あとは経済合理性を重視した意識改革が重要だ。三井信託と中央信託の合併の経験から実感している」 --メガバンク傘下の信託銀行の道は選ばなかった
「信託銀行に寄せられる多品種ニーズをまっとうするためには、信託同士がいい。メガ傘下の信託銀行はメガバンクの顧客基盤が利用できるという意見もあるが、顧客ニーズはけっこう違う。メガの顧客獲得という意味では、信託銀行最大手となることで新たなチャンスもある。経済合理性を考えれば、グループの枠を超えて選ばれることになるだろう」
--公的資金返済のめどは
「返済条件となる株価400円にはまだ到達していないが、株価を上げることで統合前の返済を目指していきたい。収益力を強化していけば必ず株価に反映されるはず。投資家に対しこういう銀行になっていくというビジョンを示し、それを評価してもらうしかない。ホールディングス傘下の銀行個社は、収益力を稼ぎ出すエンジン部分。ここを強化していくことこそ使命だと考えている」(滝川麻衣子)
おくの・じゅん 慶大経卒。昭和48年三井信託入社。中央三井信託銀行常務執行役員、中央三井信託銀行専務執行役員などを経て1日より現職。63歳。北海道出身。