2010.2.9 05:00
■ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)代表取締役兼CEO 森辺一樹
中小企業のグローバル化はなぜ遅れているのか。それは海外展開を担うべき人材が不足しているからだ。日本の中小企業が生み出す付加価値額は、20年以上にわたって全付加価値総額の50~60%を占める水準を維持し、雇用者人数も国内全体の7割を占めるなど日本経済の成長に向け大きな役割を果たしている。にもかかわらず、多くの中小企業は海外展開への処方箋(せん)を得ていない。
中小企業が海外展開を目指すうえで、何が必要とされているのだろうか。中小企業基盤整備機構がまとめた報告書によると、「販売委託・販売ルート構築に対する支援・アドバイス」の不足率が75%と最も高く、「人的資源の確保・不足」(41.3%)に多くの企業が頭を抱えている。中小企業に必要なのは、海外営業機能の育成もしくは、その機能の受け皿だ。
海外営業機能のアウトソース(外部委託)は中小企業の海外営業ノウハウを蓄積し、人材教育を図ることができる。各国の法制度や市場環境などの情報は委託先から得ることができるが、その情報を吸収し、価値を生み出すことが重要だ。そのためには、性急な海外展開は慎むべきで、海外市場参入に向けた助走期間が必要になる。
海外向けの販促製品から、テストマーケティングなど、やるべきことは多く、「委託したから後は任せた」的な発想では、激化する新興国市場では淘汰(とうた)されてしまう。ただ、この点は日本企業が苦手とする分野でもある。海外ビジネスを知る者として感じるのは「日本ほど商社が多い国はない」ということだ。