2010.2.16 05:00
□ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)代表取締役兼CEO 森辺一樹
日本企業の新興国戦略は、欧米企業と比較し、10年以上遅れている。中国、インド、ASEAN(東南アジア諸国連合)市場で後5年この状況が続けば、致命的な敗北につながるだろう。
経済産業省のまとめによると、アジアには世帯可処分所得が5001ドル(約45万円)以上、3万5000ドル以下のいわゆる「ボリュームゾーン」が8.8億人存在する。これは、1990年比の約6.2倍に膨れあがっており、猛烈なスピードで拡大している。このボリュームゾーンでは、ごく一部を除いて、日本企業の製品シェアがまったく取れていないのが現在の状況だ。
インドでは、5年以上前からカラーテレビや洗濯機と言った白物家電市場において、サムソン、LGを中心とした韓国勢が市場の約半分のシェアを獲得している。シャンプーなど日用品市場においても、英ユニリーバが全体の約65%を席巻している。
彼らの戦略は非常に学ぶものが多い。現地のマーケティング・リサーチ会社の幹部と話をしていると、韓国や欧米企業の徹底したマーケティング・リサーチには驚かされる。サムソンやLG等の韓国企業は、「現地が望む製品開発」を徹底している。現地の消費者が何を望んでいるのかを徹底的に調べ、それに基づく製品開発が現地主導で行われているのだ。例えば、5個の機能の付いた50ドルの製品を作るのが韓国企業。一方、10~15の機能の付いた100~150ドルの製品を作るのが日本企業。インド市場はまだ前者を求めており、それを韓国勢は知っているのだ。