2010.3.5 05:00
合繊・化学業界で、ブラジルに販売拠点を設ける動きが広がっている。宇部興産と三井化学が夏までに現地法人を設立するほか、クラレも年内に拠点を置くことを決めた。合繊・化学メーカーの多くは日本から遠いブラジルに拠点を持たず、米国などの拠点を通じ営業活動を行っており、事業規模は同じ新興国の中国やインドに比べはるかに小さい。しかし各社はブラジルの経済が安定し、消費者の購買力が高まっていることから自動車など幅広い分野で素材需要が見込めると判断。販売拠点を橋頭堡に市場攻略を急ぐ。
宇部興産は、4月にもサンパウロ市に全額出資の販売会社を設立する。スペインの工場から、ナイロン樹脂やその原料の「カプロラクタム」を輸出し、自動車部品や食品包装材、合成繊維の原材料として売り込む。当初の社員数は4、5人で、スペインから派遣する。
サンパウロ市には、三井化学も全額出資による現地法人を6月に設立する。食品包装用接着剤の原料である高機能樹脂「アドマー」や、自動車用バンパーの成形前材料「ポリプロピレン(PP)コンパウンド」など、世界トップレベルのシェアを持つ製品を中心に販売。人口増加とともに食糧増産の動きが進んでいることから、農業分野でもビジネスを発掘したい考えだ。