2010.3.16 05:00
昨年の大型増資ラッシュによる株主利益の希薄化懸念の高まりを受け、「ライツ・イシュー」と呼ばれる新たな増資手法を取り入れる第1号の企業が現れた。分譲マンションのタカラレーベンが導入を決め、31日から実施する。既存株主の利益を保護するため新株を買う権利(新株予約権)を既存株主に無償で割り当てるほか、新株予約権を市場で売却することもでき、新たな増資手法として注目を集めそうだ。
タカラレーベンは今月31日時点の株主に対して、保有している株式と同数の株式を割り当てる新株予約権を無償で発行する。予約権を行使した場合、株主は予約権1個につき300円で普通株1株を取得できる。行使しない場合は、新株予約権を市場で売却することも可能。ライツ・イシューによる今回の調達総額は46億円で、同社は新築マンション事業の強化などに充てる方針だ。
ライツ・イシューの最大の狙いは既存株主の利益保護だ。公募増資や第三者割当増資など既存の増資手法では新たな株主も増え、1株当たりの利益も希薄化する。これに伴い既存株主の利益も薄まることから、不満の声が上がっていた。ライツ・イシューで増資しても1株当たり利益は希薄化するが、既存株主に対してのみ新株予約権を与えるため、予約権を行使すれば保有株式の持ち分が増加。行使しない場合でも予約権を市場で売却することができるため、希薄化に伴う損失を補填(ほてん)できる。